Appleの主力製品である「MacBook Air」はこの数年間、アップデートのたびに最新世代のIntelプロセッサを採用し、搭載ポートや内蔵フラッシュストレージの種類が変更されることもあったが、そうした変更点はごく些細なものに感じられた。なおさら変化に乏しいと思えるのは、驚くほど薄くスタイリッシュな2015年の新型12インチ「MacBook」や、2012年に再設計され、解像度が大幅に向上したディスプレイと多彩なハイエンド構成オプションを利用できる「MacBook Pro」と比べたときだ。
しかし、だからといって、MacBook Airを軽視するつもりはない。デザインは今見ても薄型で、秀逸なキーボードとタッチパッドを搭載し、全体的に高速なパフォーマンスと優秀なバッテリ持続時間を実現しているため、今なお全般的な利便性に最も優れた市販ノートブックの1つだ。1299ドル以上を払ってまでAppleやサムスンなどの最新ウルトラポータブルを欲しいとは思わない消費者も多いだろうが、MacBook Airは13インチモデルが999ドルからと最安のMacBookなので、こういった層の消費者にも手が届く(スクリーンサイズ以外はほぼ同じスペックの11.6インチモデルは、さらに低価格だ)。
他のノートブックはどんどんMacBook Airに追いついており、デザインに関しては追い越しているものもあるが、MacBook Airはバッテリが最も長持ちするメインストリームノートブックという主張を頑なに守り続けている。それを可能にしているのは、Intelの第5世代「Core i」シリーズプロセッサ(以前は「Broadwell」という開発コード名で知られていた)への2015年のマイナーアップグレードだ。大半のBroadwellシステムと同様、パフォーマンス向上は微々たるものだが、それらの最新チップがもたらす電力効率の向上は大きな効果を発揮する。
新しいCPUとともに、Broadwellプラットフォームに含まれる統合グラフィックスも強化されたほか、データ/映像ポートが「Thunderbolt」から「Thunderbolt 2」にアップデートされたことで速度も向上した。内蔵フラッシュストレージは以前のアップデートで高速なPCIeインターフェースに移行したが、今回はスループットも高速化している。ただし、日常的な使用において、こうした段階的な性能強化に気づく可能性は低いだろう。
MacBook Airの2015年モデルは、動画の再生を続ける米CNETのバッテリ耐久テストで18時間持続し、過去のモデルや他社の競合製品を大幅に上回った。電力をさらに消費するタスクや高負荷のオンラインストリーミングを実行すると、バッテリ持続時間は40%程度短くなるが、酷使しても丸1日持続するバッテリ性能を備えていることは確かだ。
相変わらず競合製品を圧倒するバッテリ持続時間と比較的安い最低価格を考慮しないのなら、MacBook Airの代わりにMacBook Proや12インチMacBookを勧めるのは簡単だろう。これら3種類の製品には、それぞれ長所と短所があり、最適なユーザーもそれぞれ異なる。MacBook Airは当面の間、学生や、カフェで気軽にウェブサーフィンを楽しむユーザーに最適な選択肢であり続けると筆者は考えている。
レビュー時の価格 | 999ドル |
ディスプレイサイズ/解像度 | 13.3インチ、1440×900のスクリーン |
CPU | Intel Core i5-5250U |
メモリ | 4Gバイト、1600MHzのDDR3 SDRAM |
グラフィックス | 1536MバイトのIntel HD Iris Graphics 6000 |
ストレージ | 128Gバイトのフラッシュストレージ |
通信機能 | 802.11acワイヤレス、Bluetooth 4.0 |
OS | Apple OS X Yosemite 10.10.2 |
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