新MacBook Proレビュー(前編)--15から13インチへ、440gの軽量化と2インチの小型化 - (page 2)

440gの軽量化と2インチの小型化

13インチRetinaディスプレイが最大の特徴。CPUの世代が上がったことから、グラフィックスも向上している
13インチRetinaディスプレイが最大の特徴。CPUの世代が上がったことから、グラフィックスも向上している

 筆者は2012年モデルのMacBook Pro 15インチRetinaディスプレイモデルを使用してきた。今試している13インチモデルとは、搭載しているポート類は全く同じ構成で、厚さも1.8cmで共通しており、単純にサイズがディスプレイ2インチ分小さいだけだ。重さも異なり、15インチの2.02kgから1.58kgへと440g減量されている。

 440gというと、iPad Air 2と同じような重さ。荷物は軽ければ軽いほどよい、というモバイル環境の中で、iPad 1枚分の減量は非常に効果的といえる。その一方で、15インチから13インチへ、2インチが失われる。この減量と縮小のバランスが、今回筆者がMacBook Pro 13インチモデルで最も体験してみたかったポイントだった。

 結論から言えば、大きな問題はないという感想になった。確かに2インチ小さいディスプレイは、ブラウザや文書作成などの普段の作業でも、特に縦の長さが短くなることで、より狭さを感じてしまう。

ディスプレイの解像度のスケーリング。たとえば、キャプチャの設定は、15インチRetinaディスプレイモデルのMacBook Proの標準解像度と同じ状態となる
ディスプレイの解像度のスケーリング。たとえば、キャプチャの設定は、15インチRetinaディスプレイモデルのMacBook Proの標準解像度と同じ状態となる

 その一方で、Retinaディスプレイはスケーリングが可能で、通常1280×800ピクセルとして使っているディスプレイを、最大で1680×1050として利用することができるようになる。この解像度は、15インチRetinaディスプレイの標準解像度である1440×900ピクセルを上回る。

 もしも作業が立て込んでいて、より広いスペースが必要であれば、システム環境設定で解像度を変更して対応できる。そして、全画面でアプリを使う機会が増えた筆者にとっては、さほど画面の広さの影響を受けにくくなったことも事実だ。だとすれば、必ずしも15インチのマシンを使わなくてもよくなり、iPad分の減量というメリットを選択できるはずだ。

 ちなみに、同じことが新しくなったMacBookにも言える。2304×1440ピクセルを表示し、前述のスケーリングでは13インチMacBook Proの標準解像度である1280×800ピクセルと、15インチMacBook Proの標準解像度1440×900ピクセルもサポートする。

 Retinaディスプレイは、小さくなっても必要なときに画面の解像度変更によって作業スペースを確保できる拡張性が備わっている。積極的にサイズダウンしたマシンを選びやすくなる点も、Retinaのメリットといえるだろう。

気になる128Gバイトモデルの存在

 今回のラインアップでおもしろいのは、Proモデルなのにフラッシュストレージ128Gバイトが用意されたことだ。この容量はMacBookの最低容量である256Gバイトよりも少ない。MacBook Proに128Gバイトモデルが用意されたこと、MacBookに128Gバイトが用意されなかったことは、MacBookシリーズの今後のラインアップ展開についていくつかの予測を立てられる。

 その1つはMacBook Airの処遇だ。今回、Broadwellを搭載したアップデートのモデルが登場したが、次回紹介する新しい感圧トラックパッドは、MacBook Pro 13インチには搭載されたものの、MacBook Airには非搭載となった。マシンの薄型化に寄与するにもかかわらずだ。

 前述の通り、MacBook AirがRetinaディスプレイを搭載すれば、筆者は迷わず13インチのMacBook Airを選択したはずだ。おそらく、BTOオプションでCore i7へアップグレードし、512Gバイトのフラッシュディスクを備える仕様で3~4年使おうと考えただろう。では実際、128GバイトのMacBookで大丈夫なのか。また新たに搭載された感圧トラックパッドについてはどうなのか。次回の原稿で触れようと思う。

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