参考までに、最も安い13インチ「MacBook Air」の価格は999ドルだが、同様の8Gバイトメモリ、256Gバイトのストレージを搭載したモデルの価格はMacBookと同じ1299ドルである。13インチ「MacBook Pro」の最小構成の価格は今回の新しいMacBookと同じ1299ドルだが、ストレージ容量は半分だ。そのProモデルを新しいMacBookと同じ8Gバイトメモリ、256Gバイトストレージ搭載の構成にアップグレードすると、価格は1499ドルになる。また、「Windows」ノートPCに目を向けると、新しいMacBookと同じ8GバイトのRAMと256GバイトのSSD、同一のプロセッサを搭載するサムスンの「Ativ Book 9」は1399ドルだ。したがって、主要なライバルと比較すると、MacBookは実際にはかなり競争力のある価格に設定されている。
スペック表だけを見ると、この新しいMacBookが受け入れられにくいだろう理由を簡単に理解できる。MacBookは、ハイエンドの薄型軽量ノートPCやハイブリッド、タブレット向けに設計されたIntelの新しい「Core M」プロセッサを採用している。Core Mは完全なノートPCでもファンレスで動作できるほど効率性に優れており、静音、低温での使用を可能にしている。しかし、米CNETが実施した複数のWindowsシステムのテストで、Core Mの成績は期待を裏切るものだった。性能は低速で、バッテリ持続時間もあまりよくなかった。軽量性と携帯性を極限まで追求して設計されたコンピュータにとって、平凡なバッテリ持続時間は許容できない欠点だ。
読者を不安にさせないよう説明しておくと、新しいMacBookのパフォーマンスは今まで米CNETがテストしたほかのCore M搭載システムよりも格段に優秀で、動画を再生し続けるテストではバッテリが11時間持続した。MacBook AirやMacBook Proには遠く及ばないが(バッテリ持続時間が非常に長いノートPC群と比べて新しいMacBookは不利な立場にある)、バッテリ持続時間は決して新しいMacBookの価値を完全に損なうというものではない(そうなり得る要素ではあった)。
オンラインでの使用が多いと、バッテリの減りはさらに早くなる。筆者は作業しながら、自分が頻繁に画面右上をちらっと見て、バッテリ残量を示すパーセンテージが減っていくのを確認していることに気づいた。新しいMacBookは適度な使用であれば、1日の勤務時間中バッテリが持続することが分かったが、現行世代のMacBook ProやAirと異なり、コンセントに全く差し込まずに数日使用するのは難しいだろう。
それ以外にも、1基のUSB-Cポートですべての接続ニーズを満たさなければならないという制約(生き残った標準のオーディオジャックは除く)は、バッテリ持続時間以上に厄介な問題だ。ドングルやアダプタを何個もポケットに詰め込む準備があるのなら話は別だが。
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