電子書籍ビジネスの真相

始まるか、電子図書館「仁義なき戦い」--新展開を迎えた日本の電子書籍 - (page 2)

林 智彦(朝日新聞社デジタル本部)2015年04月17日 08時30分

「電子図書館」という未開領域

 DNP、紀伊國屋、楽天、Amazon、それにライバルとしてCCCのビジネスを、「BtoC(リアル書店)」「BtoBtoC(図書館・電子図書館)」「BtoC(EC・電子書籍)」という3つのレイヤーに分けて整理したのが次の図(筆者作成)です。


書店・図書館をめぐる業界勢力図(筆者作成)

 一番の上のレイヤー、「BtoC(リアル書店)」では、DNP傘下の「丸善CHIグループ」は、「丸善書店」(丸善、ジュンク堂)、「文教堂」など、多数の書店を擁しています。

 紀伊國屋書店は、言うまでもなく、国内に66店舗、海外に26店舗を展開する日本有数の書店チェーンです。CCCグループの書店(740店舗)は、フランチャイズ店を含めると、出版物の売り上げ規模では日本最大級の(リアル)書店チェーンと言われています。

 これらに対して、楽天はリアル書店を持っていません。ただし、業界第3位の出版販売会社(取次)の大阪屋に出資して筆頭株主となっていますし、もともとはヤマト運輸(当時)などが設立した書店向けの書籍急送会社「ブックサービス」も傘下に収めています。

 他方、電子書籍でトップを走るAmazonは、リアルリテイルの拠点がほとんどゼロです。2014年10月、米紙Wall Street Journalは、Amazonがニューヨーク・マンハッタンの中心部に店舗を開店する予定だと報じましたが、ビジネスニュースサイト「Quartz」の報道によると、これは誤報だったとのことです。

 真ん中のレイヤーは後に回して、一番下のレイヤーは、ネットストア/電子書籍ストアの領域です。ここでは、先ほど述べたように、Kindle、Koboが優勢のようです。

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