電子書籍ビジネスの真相

ついにキャズム超え--コミック市場の4分の1は、すでに電子書籍になっていた

林 智彦(朝日新聞社デジタル本部)2015年01月23日 08時30分

 こんにちは、林です。牛丼の紅ショウガは、肉が見えなくなるくらいかける派です。

 牛丼屋なんだから肉を味わえ、とか、いやネギだろネギ、だとか、いろいろ異論もあるかと思いますが、「肉多め」にするとネギが減るし、「ネギ多め」だと肉が減る。この2つはトレードオフ(あちら立てればこちらが立たず)の関係にあるわけです。

 もちろん、「アタマの大盛り」とか、ああいうチート(ずる)は除いての話ですよ。それと普通に注文しておいて、あとから「ネギ多め」と付け足すとかの技もなしで。

 牛丼のトレードオフ。肉もネギも同じくらい好きな私としては、これは切ない。人生において「あれか、これか」の選択を迫られる瞬間は、少なからず頻繁に訪れるわけですが、何も牛丼屋に来てまで、人の世の世知辛い真実を突きつけられるのは、どうしても避けたい。

 というわけで、いろいろと注文をつけたい気分の時もぐっと我慢して、オーダーは常にシンプルに「並!」。そして牛肉の上に、紅ショウガをちまちまと、すきまなく積み重ねていく毎日です。

 何がいいたいのかと言いますと、これまで電子書籍というのは、紙の本という牛肉の上に、ちょこんとのっけられた「紅ショウガ」みたいな存在だったのです。

 筆者のように紅ショウガを愛しすぎて、牛丼というより紅ショウガ丼を食べにきてるんじゃないかという奇特な本好きでなければ、これまで、さほど重視していなかった存在です。

 圧倒的な存在感を放つ肉とネギ、そして白飯を尻目に、紅ショウガも、もとい電子書籍も、長い間、日陰に置かれ続けてきたわけですが……。

 ついに、この日が来ました。

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