低年齢の子どもたちがこのような端末を所持し、自由にネットにアクセスすることで多くの問題が起きている。2013年9月、茨城県の小学校6年男子が、同級生に服を脱がされた様子をニンテンドー3DSで撮影された上、下半身の写真を撮影され、無料ソフトを使って友だちに送信されたという被害が起きている。
同年には同じくニンテンドー3DSでやはり無料ソフトを使い、成人男性が「下半身の写真を送ったらアイドルと話させてあげる」と誘い、小学生女児に下半身の写真を送らせるという事件が起きている。同様に出会い系サイトにアクセスし、強姦・わいせつ被害を受けた女児もいる。
任天堂はこれを問題視し、同ソフトを停止。保護者に対しても保護者による利用制限や、フィルタリングサービスによるアクセス制限の必要性を訴えている。
問題は学習用タブレットでも起きている。最近、通信業界ではタブレット端末が人気だ。執筆時点で、ベネッセコーポレーションの「進研ゼミ」、学研エデュケーショナルの「学研iコース」、ジャストシステムの「スマイルゼミ」などで、専用タブレットが用意されている。
2014年9月と10月、15歳の女子中学生が30代と19歳の男性と出会い、児童売春行為をした。女子生徒は携帯電話は持っていなかったものの、弟の通信教育用タブレットを使ってTwitterを利用し、2人の男性と出会っていた。端末にはインターネットへの接続を制限する機能があったが、女子生徒が切り替えて使えるようにしていたというわけだ。
ほぼすべてのゲーム機には、保護者による使用制限機能やフィルタリングサービスによるアクセス制限機能が無料で用意されている。ゲーム機によって制限内容などは異なるが、ほぼすべてのゲーム機でインターネットに接続できないように設定することができる。ウォークマンやiPod touchなどの携帯型音楽プレイヤー、iPadなどのタブレット端末など、あらゆる端末で専用のフィルタリングサービスなどが用意されている。低年齢の子どもに利用させる場合は必ず設定しておきたい。
ただし、接続できないような設定にしておいても、ご紹介したように子どもが解除してしまう例は多い。家庭用Wi-Fiなどでも、子どもがパスワードを見破ってアクセスしている例は多い。端末を持たせる場合は危険性について教育した上で、利用状況を見守りながら利用させるべきだろう。
高橋暁子
ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディア等の記事の執筆、企業等のコンサルタント、講演、セミナー等を手がける。SNS等のウェブサービスや、情報リテラシー教育について詳しい。
元小学校教員。
『スマホ×ソーシャルで儲かる会社に変わる本』『Facebook×Twitterで儲かる会社に変わる本』(共に日本実業出版社)他著書多数。
近著は『ソーシャルメディア中毒 つながりに溺れる人たち』(幻冬舎)。
ブログ:http://akiakatsuki.hatenablog.com/
Twitter:@akiakatsuki
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