Microsoftが「Windows 10」に対する同社のブラウザ戦略に微調整を加えている。「Internet Explorer 11(IE 11)」、そして、「Project Spartan」(開発コード名)という2つのブラウザ用のレンダリングエンジンに関する戦略だ。
2015年1月の時点でMicrosoftのPOR(Plan Of Record)は、既存の「Trident」(MSHTML)と新しい「Edge」の両方のレンダリングエンジンをIE 11とSpartanの両方に搭載するというものだった。それによって、IE 11を使用しているかSpartanを使用しているかに関わらず、正しくレンダリングするためにTridentを必要とする旧式サイトや企業サイトに遭遇した場合に、ユーザーは従来のTridentエンジンに戻すことが可能になるはずだった。
しかし、「Windows Insider」や顧客からのフィードバックに基づき(これらのユーザーは、Windows 10や「Windows 10 Mobile」の公開されているテストビルドでもSpartanそのものがまだ一般提供されていないにもかかわらず、新しいEdgeエンジンをテストすることができた人々だ)、Microsoftは方針転換を図っている。
Windows 10のブラウザに対するMicrosoftの新戦略は、SpartanにはEdgeレンダリングエンジンのみ、IE 11にはTridentエンジンのみを搭載するというものだ。
Microsoftはブログ投稿と、米国時間3月24日にシリコンバレーで開かれた「Project Spartan」開発者向けワークショップにおいて、この方針転換を明らかにした。
MicrosoftのEdgeレンダリングエンジンは、Tridentの派生形をベースとしているが、この派生形は、規格への準拠と相互運用性を念頭にかなり最適化されている。
Microsoftは、新しいEdgeエンジンを採用する開発者が予測していたよりも速いペースで増加していることを確認している。旧式のTridentエンジンへの切り替えを必要とするサイトは比較的少ないようだ。
Microsoft関係者らはこれまでに、Windows 10のすべてのバージョンにおいてSpartanがデフォルトブラウザになる予定だと述べている。Windows 10のどのバージョンが、IE 11をプリインストールした状態で出荷されるのかを同社は公表していないが、Windows 10の「デスクトップ」(Windows 10 Mobileではないもの)のSKUは、IE 11がOSにプリインストールされた状態で出荷されると筆者は聞いている。
どちらのブラウザもWindows 10の重要な要素である。しかし、Microsoft幹部らが24日付けのブログ投稿で述べているように、Spartanは未来である。
「Project Spartanはわれわれの未来だ。すべてのWindows 10ユーザーのデフォルトブラウザであり、ウェブページに注釈を付ける機能、文章を快適に読むことができる閲覧モード、そして、オンライン上で何かを検索したり実行したりするための「Cortana」の統合など、他にはないユーザーエクスペリエンスが提供される予定だ」(24日付けのブログ投稿)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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