Googleは「Explorer」プログラムを終了したが、同社会長を務めるEric Schmidt氏によると、「Google Glass」の開発を終えたわけでは決してないという。
Explorerプログラムにはこれまでにいくつかの問題があったが、その技術は非常に重要で破棄するわけにはいかないと、Eric Schmidt氏は米国時間3月23日、The Wall Street Journal(WSJ)とのインタビューで述べた。Google Glassヘッドセットは戻ってくる見込みだが、それまでとして「ユーザーに提供するための準備」が進められているという。
メガネ型デバイス「Google Glass」は、ウェブに接続されたヘッドセットで、音声とジェスチャ制御によって写真を撮影したり、映像を録画したり、アプリにアクセスしたりすることができる。2013年に初めて発表された際には、論争を巻き起こした。このヘッドセットを利用するユーザーをGoogleは「Explorer」と呼んだが、批評家らはプライバシーに関する懸念から「Glasshole(「glass」と「嫌なやつ」を意味する「asshole」の合成語)」だとして切り捨てた。とはいえ、公の場で注目の的となるようカメラを使用したユーザーはごく少数である。Google Glassは1500ドルと高額で、数量限定で提供され、開発者らはGlassエコシステムに対する関心をすぐに失った。
関心のあるユーザーが同ヘッドセットを申し込むための仕組みだったExplorerプログラムは、2015年1月に突然終了した。Googleは当時、同プログラムを終了するのは同社の開発者らが「今後の取り組みに集中」できるようにするためで、「準備が整い次第Glassの将来のバージョン」を提供する予定だと述べた。
Google Glassプロジェクトは現在、同ヘッドセットを最初に開発した研究機関Google Xを離れ、Tony Fadell氏が率いる独立したユニットとなっている。Fadell氏は、Google傘下にあるNestのコネクテッドデバイスと「モノのインターネット(Internet of Things:IoT)」部門を統括しており、Googleは2014年に、Nestを32億ドルで買収している。
Schmidt氏はWSJに対して次のように述べた。「これはGoogleにとって、大規模かつ非常に基礎的なプラットフォームである。Explorerプログラムを終了したことで、プロジェクト全体が中止になったかのように報じられているが、それは正しくない。Googleはリスクを厭わない企業であり、Glassに調整を加えることに、その終了を示唆する要素はまったくない」(Schmidt氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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