Microsoftは、「Windows 7」および「Windows 8.1」の非正規版を使用するユーザーに「Windows 10」へのアップグレードを提供するという最近の発言について、その内容を明らかにした。
中国で現地時間3月17日に開催された「WinHec」カンファレンスで、MicrosoftのOS部門を統括するTerry Myerson氏はReutersに対し、「要件を満たすすべてのPCを、正規品か否かにかかわらずWindows 10にアップグレードする」と述べた。その発言は、Microsoftにとって大きな問題となっているソフトウェアの違法コピーが横行する中国に向けられたものだった。しかし、「Windows 7」または「Windows 8.1」の非正規版を使っており、Windows 10にアップグレードすれば正規版になると直ちに解釈した人は皆、この発言にほくそ笑んだはずだ。
「Windows」の非正規版ユーザーは、それが勘違いであることに気づく必要がありそうだ。Microsoftの広報担当者が米CNETに対し、このアップグレードに関するプロセスを明らかにした。非正規版からアップグレードする場合は、Windows 10が突然正規版になるわけではないという。
非正規版のPCからもWindows 10へのアップグレードは可能かもしれないが、アップグレードによってライセンスが正規版に変更されるわけではない。非正規版のWindowsは、Microsoftが発行するものではない。Microsoftまたは信頼できるパートナーによって、正規にライセンス供与され、サポートされているものではない。アップグレードの前に、非正規またはライセンスが無効とみなされた端末は、アップグレード後も非正規またはライセンスが無効とみなされ続ける。
では、Windowsの非正規版を現在使用している場合、具体的にはどうなるのだろうか?
Microsoftが「Genuine Windows」ページで状況を説明しているように、使用しているWindowsが正規版ではないことを警告するメッセージが頻繁に表示されるようになる。デスクトップは真っ黒になる。その状態をリセットすることはできるが、Windowsをアクティベートするまで、画面が真っ黒になることが続く。緊急のセキュリティアップデートは取得できるが、オプションのアップデートや「Microsoft Security Essentials」などのソフトウェアは取得できない可能性がある。しかしそれ以外では、Windowsやアプリケーションは正常に機能する。当然ながら、この情報は、まだ開発段階にあるWindows 10だけに限られるものではなく、Windows 7およびWindows 8の既存バージョンにもあてはまる。
Windows 10は2015年夏に、190カ国111言語でリリースされる予定。Windows 7またはWindows 8.1を使用するユーザーには無償アップグレードが提供される予定だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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