テキサス州オースティン発--「Google X」研究所は、無人自動車やWi-Fi接続された気球のほか「Google Glass」など、斬新な実験を生み出す拠点となっている。
それでもGoogleは、Google Xから生まれたことがほかにもあるということを人々に再認識してもらいたいと考えている。つまりそれは、失敗、それも数多くの失敗のことだ(失敗無くして学びはない、ということもできる)。
Googleは米国時間3月17日、Glassでいくつかの失敗があったことを認めた。Glassは発表以来、議論から抜け出せずにいた。Googleは早くから、同社が「Explorers」と呼ぶ早期テスターのコミュニティ向けにこのデバイスを提供していた。
Google Xを率いるAstro Teller氏は、当地で開催中のテクノロジ、映画、音楽をテーマとするカンファレンス「South by Southwest(SXSW)」の基調講演で、「われわれは、素晴らしい決断を1つ、そしてそうでない決断を1つ下した」と述べた。
Googleの素晴らしい決断とは、「Explorer」プログラムを開発したことだ。その上で、Teller氏は、悪い決断(「失敗に近い」という意味だろうか)として、「われわれは、このプログラムに注目が集まりすぎることを考慮していたが、それを促したこともあった」点を挙げた。
「また、われわれは、これが完成品だと人々に思ってもらうように物事を進めていた」(Teller氏)
Google Glassは、2年間のSXSWで注目を集めた。それ以来、同デバイスは魅惑の対象からさげすまれるものへと変化してきた。プライバシー活動家らは、Glassに組み込まれたカメラを人々がどのように使うだろうかということを懸念した。そしてGoogleは2015年1月、Glassの試作機の提供を打ち切った。ただし同社は、消費者向けバージョンに取り組んでいると述べている。
世界最大の検索エンジン企業であるGoogleは、Google Xによる実験的な新規プロジェクトと製品に期待するとともに、その対象範囲を検索以外に広げ、将来の収入源になるよう支援したいと考えている。
Teller氏は17日の講演で、Google XによるWi-Fiバルーンの「Loon」や、ドローンを使った配送実験「Project Wing」といったプロジェクトについても語った。そして、破裂したバルーンを回収するため、南太平洋の遠隔地まで探査に向かったことなど、その他の失敗談をいくつか披露した。Teller氏は、Project Wingの進捗については、2015年内に最新情報を報告するとしている。
「失敗は必ずしも、成功しないという意味ではない。『やってみたからこそ、前に進み、スマートになれる』とも言える」(Teller氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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