フリマアプリ「メルカリ」を運営するメルカリはヤマト運輸と組んで、出品者と購入者間の新たな商品の配送方法を4月1日に導入する。顧客の氏名や住所などのデータベースを連携させ、全国に約4000カ所あるヤマト運輸の直営店の店頭端末「ネコピット」に、取引成立後に送られてくるQRコードを読み込ませることで、出品者が送り状を手書きすることなく商品を発送できるようにする。料金は全国一律とし、送料の決済はメルカリのアプリ上で完結させる。
利用できるのは、手渡しの「宅急便コンパクト」、厚さ2.5cm/重さ1kg以内の荷物を郵便受けに投函する「ネコポス」、「宅急便(60~160サイズ)」の3種類。宅急便コンパクトとネコポスはヤマト運輸が同日に新たに開始するサービス。なおネコポスは法人・個人事業者向けだが、メルカリの取引では特別に個人で利用できるようにする。
料金はメルカリが一部を負担し、通常よりも安くする。宅急便コンパクトは300円台、ネコポスは100円台を予定しているという。
今後、ヤマト運輸の直営店だけでなく、コンビニでも送り状の発行や発送を受け付けられるようにしたり、ヤマト運輸のドライバーによる集荷対応ができるようにしたりする予定。また2015年夏頃には、住所などの個人情報を相手に伝えずに匿名で商品を送れる配送サービスも始めるという。
両社は今回の協業に向けて、2014年春頃に検討を始め、秋頃にはデータベースの連携に関する取り組みを始めていた。メルカリがヤマト運輸に提案し、ヤマト運輸の戦略に合致したことから実現した。メルカリ取締役の小泉文明氏は「大企業とベンチャーの連携として非常に良い形。競争力のある価格で『メルカリなら安い』と印象づけたい」と話す。
メルカリは3月12日にダウンロード数が1100万件を超えたことを発表。2月の1000万件突破から約1カ月での達成となる。購入金額は月間数十億円、出品数は1日数十万品以上にまで伸びているという。
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