NTTは3月9日、大規模災害発生時の被害軽減や自治体の災害対策活動などの支援を目的としたソリューションを開発したと発表した。「危機管理情報マネジメント支援システム」、「災害対策用可搬型バックアップ電源」、防災アプリ「まちアプリ」の3種類。
危機管理情報マネジメント支援システムは、自治体が大規模災害時に運用する危機管理室の対応を支援するため、国際標準に基づく危機管理情報マネジメントフローをシステムに組み込み、各種システムと連携し集約した情報を一元管理できるソリューション。
災害対応状況について、危機管理室の運営プロセスをチェックリストとともに整備して職員が行うべき項目を提示する「Plan」、口頭やホワイトボードのメモに頼っていた非定型業務の情報を電子管理して対応状況の確認や現場への指示を迅速に行う「Do」、対応や被害の状況を地図や表形式で俯瞰的に把握できる「See」の3つにまとめ、総覧できるようにすることで、稼働の大幅な削減と効率的で効果的な危機管理を可能にしているという。
災害対策用可搬型バックアップ電源は、NTTが2014年に開発した、Wi-Fiアクセスポイントを内蔵した「アタッシュケース型ICT BOX」と組み合わせることで、通信が遮断された避難所や災害対策本部などの通信を迅速に回復させることができる。エネルギーマネジメントの機能を持つ約8kgの「制御ユニット」と、1つあたり1.5kg程度の蓄電池13個による約20kgの「蓄電ユニット」で構成されており、災害時には13個の蓄電池を複数人で分担して運搬し、現地で組み立てて運用できる。
連続使用可能時間は、蓄電池のみの場合で約2日間、燃油を満タンにしたエンジン発電機と併用した場合で、約5日間。太陽光発電による給電にも対応。
防災アプリ「まちアプリ」は、災害発生時に自ら情報を取得して適切な行動を行うこと(自助)や、周囲と協力して適切に行動すること(共助)を支援することを目的としたスマートフォン向けアプリ。平時は、自治体などが提供する近隣エリアの浸水シミュレーションやハザードマップに加え、日常的に楽しめる地域情報アプリとして、気象情報や地域の話題などを提供する。
災害発生時には、Twitterのツイートから、被災状況などに関する情報だけを抽出し、避難時の支援を求めるつぶやきや、内水氾濫の発生を知らせるつぶやきなどの投稿をアプリ上で地図にマッピングする。これにより、どこでどのような被害があるか、誰が助けを求めているかがわかり、住民の共助を支援できるほか、自治体やボランティアの被災地支援を円滑化することができるという。
なお、防災アプリは開発中のコンセプトアプリ。今後、専門家や住民を対象としてアプリの有用性を検証するワークショップなどを実施するとしている。
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