3D Systemsの「Cube 3」は筆者が今まで見てきたデュアルエクストルーダ型の3Dプリンタのなかで最もコンパクトな製品だ。うまく設計されており、自動キャリブレーション機能も搭載しているため、箱から出してすぐに使用可能になっている。また、操作も簡単であり、細部にわたって作り込まれた緻密なオブジェクトをプリントすることができる。
とは言うものの、完璧な製品というわけではない。試用期間中にも、大きなオブジェクトをプリントしている最中におかしくなったし、連続してプリントする場合にはプリンタを冷却するために長い時間を置く必要があった。また、この製品は3D Systemsのプロプライエタリな、そして高価なフィラメントカートリッジを必要とする。
小さなオブジェクトをプリントするコンパクトな3Dプリンタを探しているのであれば、このCube 3の能力で十分満足できるはずだ。また、現在の999ドルという価格は、今市場に出回っているデュアルエクストルーダ型の製品の中で最も安価な部類に属する。ただこの製品の総所有コスト(TCO)は、プリント用のサプライ品を購入し続けることで上昇していく点に注意してほしい。
プリンタ本体が大きくなってもかまわないというのであれば、XYZPrintingが販売しているシングルエクストルーダ型の「da Vinci 1.0 AiO」もお勧めだ。この製品はより安価ながら、3Dスキャン機能もサポートしている。
Cube 3は、その名が意味するように(「Cube」の第3世代だ)、立方体のような形状をしており、大きさも13.2×13.5×9.5インチ(約33.5×34.3×24.1cm)というコンパクトなものとなっている。しかも、この形状は2つのフィラメントカートリッジを装着した状態である点に注意してほしい。これらのカートリッジは本体の左と右の側面に配置されているくぼんだカートリッジホルダに収納される。
このデザインの良さを実感するには、他社製の3Dプリンタと見比べてみる必要がある。他社製品の多くはプリンタ本体からフィラメントホルダーが突き出ているのだ。一方、Cube 3はすべてのパーツを装備しても、その表面はほとんど平坦かつスムーズになっているため、プリンタはほとんど完全に立方体のように見える。
ただ、このプリンタの前と後ろの側面はオープンになっているため、単なる固形の立方体にしか見えないというわけでもない。前後がオープンであるため、プリント用のプラットフォームがよく見えるとともに、プラットフォーム上での作業も簡単だ。筆者がアクティブプリントプラットフォームを採用した3Dプリンタを使うのは、このCube 3が初めてだった。要するに、このプリンタのプラットフォームはプリント作業中には上下だけでなく前後にも動くようになっており、本体上部のプリントヘッドは左右に動くだけとなっている(他の多くの3Dプリンタでは、プリントプラットフォームは上下に動くだけであり、プリントヘッドが前後左右に動くように設計されている)。
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