3D Systemsの「Cube 3」レビュー--コンパクトなコンシューマー向け3Dプリンタ - (page 3)

Dong Ngo (CNET News) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子2015年02月17日 07時30分

 短所は、このフィラメントカートリッジを3D Systemsから直接購入しなければならず、1つが49ドルするという点だ。カートリッジへのフィラメントの再充填はできないため、カートリッジ全体を購入する必要がある。さらにCube 3のカートリッジ形状は、「CubePro」といったCubeの第1世代や第2世代のような、3D Systemsが提供している他の3Dプリンタのものとも異なっており、互換性を有していない。また、テストしてみたところ、カートリッジ1つでは、数多くのオブジェクトをプリントすることはできなかった。大まかに言うと、プリントに10時間ほどかかるオブジェクトは、カートリッジの5分の1程度を消費する。また、1つのフィラメントカートリッジで「iPhone 6 Plus」用のケースを1ダースほどプリントできる計算となる。

 3D Systemsの名誉のために書いておくと、同社は空のカートリッジを回収したうえでリサイクルしており、各カートリッジに返送先のラベルも添付している。とはいえ、送料はユーザー負担となっている。

操作は簡単で、Wi-Fiプリントもサポート

 Cube 3の本体前面には、電源ボタンと、操作のための小さなタッチスクリーンが装備されている。このスクリーンを使って、プリントからキャリブレーション、フィラメントの装着や交換といった、プリンタのすべての機能を制御できる。どの操作を選択しても、1つずつ簡単に作業をこなしていけるようになっている。

 Cube 3には自動キャリブレーション機能が搭載されている点は特筆に値する。キャリブレーションは重要なプロセスだ。これによって、プリントプラットフォームの表面全体を水平にするとともに、プリントヘッドのノズルからの位置を正しく設定するわけだ。設定がずれていると、3Dモデルデータを忠実に反映したオブジェクトが作成できず、糸状のプラスチックを排出するだけとなる場合すらある。多くのプリンタでは手作業でキャリブレーションを行う必要があるが、Cube 3では自動的に行われる。まれにこのプロセスで人の介入が必要となる場合もあるが、その際にはタッチスクリーン上に必要な手順が明確に示される。筆者の経験では、Cube 3のキャリブレーション処理は画面上のボタンを数回押す以上の難しさはなかった。

 また、タッチスクリーンを使用して、プリンタをWi-Fiネットワークに接続することもできる。いったん接続できれば、同じWi-Fiネットワークに接続されているどのコンピュータからでもプリント作業を開始できるようになる。3D Systemsは、「Android」版と「iOS」版のアプリを近々リリースし、モバイル機器から直接プリントできるようにすると述べている。さらに、このプリンタにはUSBメモリ用のポートも装備されている。このため、USBメモリに標準的なフォーマットの3Dモデルファイルを格納しておけば、タッチスクリーンからそのプリントを指示できる。なお、Cube 3には2GバイトのUSBメモリも付いてくるが、ユーザー自らのものを使用することもできる。

提供:Josh Miller/CNET
プリンタ本体のタッチスクリーンによって、操作はとても簡単に行える。
提供:Josh Miller/CNET

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