アクティブプリントプラットフォームの採用により、プリンタヘッドの移動機構を簡略化できるため、プリントプラットフォームを大きく保ちながら、プリンタ本体をコンパクトにできるわけだ。実際、Cube 3の本体サイズは小さいものの、6×6×6インチ(1辺が15.25cmの立方体)のオブジェクトをプリントできる。「2015 International CES」での展示から判断すると、アクティブラットフォームは3Dプリンタの新たなトレンドとなっており、今後登場する多くのプリンタがこのデザインを採用するようだ。
この製品のプリンタプラットフォームの上部は、取り外し可能なプレートとなっている。プレートを取り外せるため、プリント作業後の表面の掃除や、プリント前の接着剤の準備は容易だ。また、このプレートは磁力でプラットフォームに固定されるようになっており、留め具やねじがないため、取り外しや取り付けもとても簡単だ。
エクストルーダ | デュアルエクストルーダ |
---|---|
プレート | 取り外し可能 |
プリントテクノロジ | 熱溶解積層法(FDM) |
作成可能な オブジェクトの大きさ |
6×6×6インチ (15.24×15.24×15.24cm) |
レイヤの厚さ | 70ミクロン (高速モードで200ミクロン) |
プリンタ制御 | カラータッチスクリーン |
プリント材質 | ABS樹脂 PLA(ポリ乳酸)樹脂 |
電源 | 230V/120W |
外部寸法 | 幅:13.2インチ(約33.5cm) 高さ:13.5インチ(約34.3cm) 奥行き:9.5インチ(約24.1cm) |
重量 | 17ポンド(約7.7kg) |
入力 | Wi-Fi USBメモリ |
サポートOS | Windows 7以降 OS X 10.8以降 |
Cube 3は箱から出した後の組み立て作業がほとんど要らない。やるべき作業は、梱包材を取り除き、同梱されている黒と緑のフィラメントカートリッジを装着するだけだ。
コンシューマー向け3Dプリンタで最もよく使用されている熱溶解フィラメント方式(FFF)では、プリントの原材料にフィラメントが用いられる。これはインクジェットプリンタのインクカートリッジに当たるものだと考えてほしい。フィラメントは基本的に簡単に溶け、すぐに固まるプラスチック製の糸であり、さまざまな色が用意されている。プリント時にはフィラメントがプリントヘッドのエクストルーダに送り込まれ、そこで熱をかけて溶かされた後、ノズルから直下のプリントプラットフォームに押し出す(extrude)ことで3Dオブジェクトを製造するというわけだ。
Cube 3はデュアルエクストルーダ型のプリンタである、すなわち本体上部には2つのノズルが装備されている。これにより2つのフィラメントを同時に使ってプリントできるため、2色の素材からなるオブジェクトのプリントも可能だ。
フィラメントはリールに巻かれた状態になっている。多くのプリンタはオープンリール形式を採用しているため、ユーザーは自らでフィラメントを選択できる。しかし3D SystemsのCube 3では、プロプライエタリなプラスチック製のカートリッジ内にフィラメントが収納されている。これはコンシューマーにとって長所と短所があるということだ。
長所は、上述したようにカートリッジがプリンタ本体にぴったりとはまる点だ。さらに、使用しているフィラメントのタイプ(PLA樹脂かABS樹脂)や、フィラメントの残量、フィラメントの色をプリンタ本体が自動的に認識できるよう、各カートリッジにセンサが搭載されている。筆者のテストでは、Cube 3へのフィラメントの取り付けや交換は、今までに使ったことのある3Dプリンタのうちで最も簡単であった。各カートリッジにはフィラメントをヘッドに送り込むチューブが付いており、その先端にはプリントジェットと呼ばれるヘッドが付いている。このプリントジェットをプリントヘッドの上部にぴったりと接続するようになっている。このため、直接フィラメントを触って作業する必要はない。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
パナソニックのV2H蓄電システムで創る
エコなのに快適な未来の住宅環境
企業や自治体、教育機関で再び注目を集める
身近なメタバース活用を実現する
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス