ドコモ、スタートアップとの協業を加速--医療/ヘルスケア分野から開始

 NTTドコモとNTTドコモ・ベンチャーズは2月5日、医療/ヘルスケア分野における新規ビジネスの創出を目指して、ベンチャー企業とのビジネス機会を模索することを目的としたミートアップイベントを開催した。イベントにはNTTドコモの医療/ヘルスケア分野のさまざまなサービスの担当者や法人事業部門の担当者が出席し、会場に集まったベンチャー企業の経営者や開発者と交流をはかった。

  • NTTドコモ取締役常務執行役員スマートライフビジネス本部長の中山俊樹氏

 イベントの冒頭には、NTTドコモ取締役常務執行役員スマートライフビジネス本部長の中山俊樹氏が登壇し、ドコモがベンチャー企業との協業を模索する意図などについて説明。中山氏は、協業促進の例として、同社が現在、ベンチャー支援プログラム「ドコモ・イノベーションビレッジ」の中で、ドコモが特定のテーマについてベンチャー企業との協業を目的とした「Villageアライアンス」コースを募集していることを挙げ、「(ドコモ・イノベーションビレッジは)新しいサービスを創造するための方法を模索するなかで生まれた答えのひとつ」と語った。

 中山氏は、ドコモの新事業の中でも医療・ヘルスケア分野を“いま力を入れて伸ばしたい分野”としたうえで、「ドコモとベンチャー企業がこの分野で新しいサービスを創造するチャンスを積極的に作っていきたい」と今回のイベントの趣旨を説明。このイベントを契機に、NTTグループ、パートナー企業、ベンチャー企業が交流してシナジーを生み出せる機会を積極的に作っていく考えを示した。

ドコモが医療/ヘルスケア分野に注力するのはなぜか

 続いて、NTTドコモ ライフサポートビジネス推進部の加藤氏と西口氏が、NTTドコモにおける医療・ヘルスケア事業の取り組み方針について説明。携帯電話会社であるドコモが医療・ヘルスケア分野に注力するようになった背景について、加藤氏は「通信デバイスやプラットフォームの変化によって、ドコモの収益構造は大きく変化している。データ通信収入やサービス利用料収入の比重が高くなり、音声通話による収入では事業が立ち行かなくなってきた。そこで、“第2の創業”という形で新領域に力を入れてスマートライフを実現するという目標を掲げた」と語った。

  • NTTドコモ ライフサポートビジネス推進部の加藤氏

 加藤氏によると、dマーケットで展開している各サービスはドコモのブランドで提供しているが、さらに幅広い医療/健康/教育/環境といった分野では、ドコモが自社のクラウド基盤の提供や共同開発などでパートナー企業を支援していくといった形で進出していることが多いのだという。ドコモとオムロンヘルスケアが合弁で設立したドコモ・ヘルスケアがその一例だ。

 加藤氏は、ヘルスケア分野のプラットフォームについて、ドコモ・ヘルスケアが中心になって展開している健康データを一元管理するオープンプラットフォームを中心に、食事/運動/睡眠や、癒し/医療、保険といった健康に重要な要素についてサービスを展開してビッグデータを蓄積しているという現在の状況を説明。その上で、蓄積したビッグデータを分析してフィードバックする領域でさまざまなパートナー企業と協業しているとして、現在ドコモのヘルスケア領域で展開しているさまざまな製品/サービスやベンチャー企業との協業事例について、それぞれの特徴などを説明した。

  • ドコモがヘルスケア領域で展開しているサービス

 加藤氏は、「こうしたパートナー同士の連携がなければ、本当の健康は実現しない。蓄積されたデータをパートナー企業の持つデータと連携させてユーザーのヘルスケアに活用できれば」とパートナー企業との協業の重要性を強調。その上で、「ビッグデータは蓄積するだけではなく、分析・活用することが重要だ。それはドコモだけではできない。(会場に集まった)ベンチャー企業に協力いただき、各社を通じてサービスを提供していく必要である。尖った技術を持っている企業、優れたデータ分析技術を持つ企業、専門的なコンテンツを持っている企業などとは積極的に協業していきたい。ベンチャーならではの発想を活かした新しいサービスを生み出していければ」と会場に集まった参加者に呼びかけた。

 また、この領域ではドコモだけでなくKDDI、ソフトバンクモバイルのユーザーも含めた全キャリアのユーザーを対象としたオープンなサービスを展開していくという方針や、プロフェッショナルな知見を持つ企業の協力によって販売チャネルを拡大していきたい点など、同社の狙いについて説明した。

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