ベンチャーとドコモが共創する「Villageアライアンス」--各事業部の狙いとは

 NTTドコモとNTTドコモ・ベンチャーズは2月4日、革新的な技術やサービスを持つベンチャー企業とパートナーシップを築きイノベーションの創出を目指すプログラム「ドコモ・イノベーションビレッジ」に新設されるプログラム「Villageアライアンス」の参加希望企業向けミートアップイベントを開催した。

 Villageアライアンスは、これまで3期にわたり実施してきたベンチャー企業のアクセラレーションを目的とした「Villageシード・アクセラレーション」と異なり、ドコモが定めたテーマに基づいてベンチャー企業の参画を募集するもの。ドコモが持つテクノロジやノウハウといったアセットとミドルステージ以降のベンチャー企業が持つ創造力や独創性、サービス開発の瞬発力といった要素を掛け合わせ、ドコモの新サービスを共同開発していくことを目標としている。募集テーマは全部で8つ用意されており、2月20日15時まで応募を受け付けている。

 今回のミートアップイベントでは、応募テーマを用意したドコモの各事業部から担当者が登壇し、各テーマの背景や募集意図、提供できるアセットなどを説明。参加者に協業によるイノベーションの創出を訴えかけた。

“自転車の乗る楽しみ”を一緒に生み出していきたい

 最初に登壇したのは、ライフサポートビジネス推進部 環境事業推進 エコロジービジネス課長の武田有紀氏。「サイクルシェアリングサービスとその周辺地域(街)の活性化ビジネス」というテーマは、欧米で利用が拡大しているサイクルシェアリングのモデルを、モバイルネットワークを活用して日本で普及させることを目的としている。

 武田氏によると、「自転車は昔からある乗り物。これにドコモのICTが組み合わさると何か新しいイノベーティブなものができるのではないか」との考えのもと、自治体と連携して江東区、千代田区、横浜市などでサイクルシェアリングの事業を展開している。事業の認知拡大と利用促進の領域でベンチャー企業と協業していきたいという。

 「ヘルスケア、エンターテインメント、O2Oなど幅広い可能性を模索しながら、“自転車に乗る楽しみ”を生み出せるようなイノベーションを一緒に考えていきたい」と武田氏。地方自治体などからは観光振興を目的としてサイクルシェアリングに対するニーズは高く、そういったニーズに応えられるコンテンツを協業によって生み出していきたい考えだ。


プレゼンテーションをする武田有紀氏
  • ドコモのサイクルシェアリングシステムの特徴

  • ベンチャー企業と協業する狙い

活躍したい女性を支援する教育プラットフォームを生み出したい

 続いて登壇したのは、「女性の独立・起業を支援するサービス」を募集しているライフサポートビジネス推進部 教育事業推進 教育事業推進課長の小野文明氏。小野氏によると、ドコモは4年前から教育事業に注力しており、F1層の女性を中心に人気の「ABCクッキングスタジオ」や、幼児向け教育コンテンツを展開する「dキッズ」、大学の授業を遠隔で受講することができるプラットフォーム「gacco」などを展開している。

 今回の協業では、こうした教育向けプラットフォームを活用して“独立・企業したい”、“子育てしながら家でも働きたい”、“再就職に備えたい”といった女性のニーズに応えるサービスを、ベンチャー企業と一緒に考えていきたいという。

 小野氏はその一例として、ドコモとNTTナレッジスクエアが両社で展開するgaccoを活用した女性支援のモデルを紹介。このプラットフォームの特徴を活かして、大学の授業だけでなく女性の資格取得支援などの授業を展開することで、女性が家でも気軽に学ぶことができるのではないかとの考えを示した。「資格、ライセンス、認定などのコンテンツのコンテンツ販売モデル、新サービスの考案、ビジネスモデルの構築など、あらゆる形で協業を模索したい」(小野氏)。

  • 大学の講義をネットで遠隔受講できる「gacco」

  • gaccoのプラットフォームを活用した女性支援のサービスを生み出したい

  • 女性の独立・起業を支援するための仕組み作りが必要

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