文系でスキルもなく英語も話せないけれど就職できた、という時代はとっくに終わってしまった。そこでどうすればいいのか、ここまで現実的なアドバイスをしてくれる人は、たいていの学生の周りにはおそらくいないだろう。また「やりたいことと違っていた」という理由だけで転職しようとしている人にとっても、早まって転職したり、会社を辞めたりしてしまう前に読んでもらいたい1冊だ。
まず、日本の中だけでどうにかしようという、視野の狭い考え方を改める必要があるようだ。そのためには、人とコミュニケーションできるレベルにまで英語をなんとかしなければならないが、それは海外留学でみっちり勉強することを著者の大石哲之氏は勧める。しかも、行き先は欧米などではなくフィリピンだ。もちろん理由があってのことだ。ムダにネイティヴレベルを目指す必要はなく、現在の多くの企業で求められるレベルを目指すことが肝心なのだ。
多くの企業と言っても、職を得るために目指すのは、日本国内の企業ばかりではない。景気が良くて、生活費が安く済み、人材不足で困っている国はたくさんある。日本国内で就職できないからと言って、悲嘆に暮れる必要などないのだ。そうした道もあることを知るだけでも、狭い考え方を改めるきっかけになるはずだ。
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