今の仕事を辞めて転職したら、きっと今よりもバラ色の素晴らしい日々が待っているに違いない、あるいは雇われる仕事なんてもうイヤだ、独立すれば自由になれるのになどと考えて毎日ため息をつきながら仕事をしているのなら、本書を手にとって欲しい。本当に転職すればすべての問題が取り払われ、充実した毎日が送れるのだろうか。
ドイツ発の本書は、大きく2部構成となっている。前半には、いかに人は自分の仕事に満足しておらず、他人の仕事の方がずっとマシだと考えているかが示されている。医者も検事も、芸術家も作家も、誰もが自分のやりたかった仕事は、こんな仕事ではなかったと思っている。実際読んでいると、夢も希望もないかのようだ。しかしだからこそ、現実を冷静に受け止め、今の仕事をやりたい仕事にするための後半のトレーニングが活きてくる。
ほとんどの問題は、必ずしも仕事内容そのものにあるわけではなく、人間関係にあることが分かる。上司や同僚などとのコミュニケーションに目を向け、問題への対処法を知るだけでずいぶんと気が楽になり、今の仕事で良かったと思えるかもしれない。
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