グリーの“技術”を10年支えるCTO藤本氏が「最もやりたいこと」 - (page 2)

 本当にいち個人ということなら、のんびりソフトウェアを書きたいです。表向けのサービスというよりは開発者向けのサービスを作るのが好きなので、ライブラリだったりフレームワークだったり、APIだったりいろいろやりたいですね。ただ、基本的には儲からないので事業的には全然ですけど(笑)。そういうものを作って、そこにのってくる新しいサービスが出たりすると自分としては面白いですよね。

 また全然違う話をすると、偉そうなことを言うにはまだまだ未熟なのですが、スタートアップが自分たちと同じ失敗をしてもしょうがないと思うので、次に挑戦する人たちをサポートできるといいですね。この前も「WEB+DB PRESS」で伊藤直也さん(元はてなのCTOで現在はKAIZEN platform Inc.の技術顧問などを務める)と、CTOについて書いたのですが、そういうものを読んで少しでも余計な苦労を避けてショートカットしてくれる人が増えたらいいなと思います。

 やはり、日本という括りでもっと人や会社が育たないとダメなのかなと思います。シリコンバレーでスタートアップをやるといったらCTOを3周くらいした人がきたりするので勝てるわけがないですよね。この10年もそうでしたが、このままだと日本はシリコンバレー発のサービスに駆逐されてしまうので、そうじゃない場所を作りたいという思いはあります。そんな暇があったらグリーでやれよと言われそうですが(笑)。

――今後の5年間でどのようなトレンドがくると予想しますか。

 5年前を振り返ってみると2010年の頭なので意外と最近ですし、そんなに非連続なことは起きていないと思います。なので、これからもいろいろなことは起きると思いますが、基本的に今あるものが進化していくとどうなるだろうという観点で考えられるかなと思っています。たとえば、モバイルやコンピュータはより早く安くなっていきますよね。iPhoneの電池の持ちが10倍良くなったり、ストレージが増えたり。

 それとIoT(Internet of Things:モノのインターネット)など、ネットワークデバイスは確実に増えると思います。ただ、2000年くらいから“IP家電”という言葉もありますが、ハードウェアを作るのは時間がかかるので、5年だとそこまで進んでいないかもしれません。白物家電にIPがついたものなんかは少しずつ増えるでしょうね。食材がなくなったら勝手に届けてくれる冷蔵庫とか。

 あとはソフトウェアの進化ですね。いわゆるロボットなどの人工知能や機械による判断みたいなものは確実に賢くなるでしょう。そうすれば他のデバイスと組み合わせていろいろと出来ます。テスラモーターズが自動運転ができるクルマを作ったりとか、そこは着実に進化していく。それ以外だと最近個人的に思うのは、家のネットワークとかサーバはもっと便利になっても良いとは思いますね。

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