“ガラホ”はなぜ生まれたのか--Android搭載ケータイ「AQUOS K」から考える

 KDDI(au)が1月19日に発表した、Android搭載の折り畳み型フィーチャーフォン「AQUOS K SHF31」(シャープ製)が大きな話題を呼んでいる。

 KDDI代表取締役社長の田中孝司氏は、同端末を“ガラホ”(ガラパコスケータイ+スマートフォン)と呼んでいたが、なぜ今、フィーチャーフォンにAndroidを搭載するという選択に至ったのか。またフィーチャーフォンにAndroidが搭載されたことで、今後どのような変化が起きると考えられるだろうか。


auから登場予定のAndroid搭載フィーチャーフォン「AQUOS K」

置き去りにされていたフィーチャーフォンに再び注目

 携帯キャリア各社が急速、かつ積極的にスマートフォンへのシフトを進める中、実質的に置き去りにされていたといっていいフィーチャーフォン。それだけに、auの春商戦向けモデルとして発表された「AQUOS K」は大きな注目を集めている。

 AQUOS Kについて改めて確認すると、ハードデザインは従来のフィーチャーフォンと同じくテンキーやカーソルキーなどを搭載した、コンパクトな折り畳みスタイルの端末だ。だがその中身は、スマートフォンで一般的なAndroid 4.4を採用しており、ウェブブラウザやカメラなどのアプリはすべて、Androidベースで動作している。


メニューなどの操作もすべてキーでするなど、従来のフィーチャーフォンにかなり近いインターフェースを採用

 しかしながら、Androidスマートフォンと大きく異なるのが、タッチパネルを搭載しておらず、操作はすべて端末上のキーでする仕組みであること。インターフェースも従来のフィーチャーフォンに近い操作性やデザインを実現しており、フィーチャーフォンから乗り換えても違和感を抱かないよう、配慮がなされている。ただしキーだけでは、例えばインタラクティブ性を持つウェブサイトなどが操作できないことから、テンキー部分などに静電センサーを備え、PCのタッチパッドのような操作感を実現できる「タッチクルーザーEX」を備えている。


タッチパネルは搭載されていないので、タッチが必要な操作はキー部分で指を滑らせて操作する「タッチクルーザーEX」を利用する

 そしてもう1つ、スマートフォンとは大きく異なるのがアプリやコンテンツだ。タッチパネルが搭載されていないこともあり、AQUOS Kには検索など一部を除いてGoogle関連のアプリが搭載されておらず、アプリストア「Google Play」も用意されていない。加えて、従来と環境が大きく異なることからフィーチャーフォン向けウェブコンテンツやアプリも利用できないため、コンテンツの利用には非常に大きな制約がある。そのためauでは、AQUOS K専用の「auスマートパス」を用意し、その上でAQUOS Kで動作するアプリを提供する予定で、今後は「LINE」も提供するという。

 シャープはかつて、「AQUOS PHONE THE HYBRID 007SH」(ソフトバンクモバイル)などフィーチャーフォンライクなスマートフォンをいくつか開発してきた。だがAQUOS Kは、それらとコンセプトが大きく異なり、スマートフォンライクなフィーチャーフォンという位置付けとなっている。そして、こうした新しいコンセプトを提案したのは、端末を開発するシャープ側からのようだ。

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