【レビュー】タブレットの魅力を再び呼び起こすiPad Air 2 - (page 2)

ラインアップが拡充するiPhone/iPad--サイズをどう考えるか

薄さ6.1mmと、Appleのどのデバイスよりも薄い「板」となった。Lightiningコネクタとステレオスピーカーが下の側面にまとめられている
薄さ6.1mmと、Appleのどのデバイスよりも薄い「板」となった。Lightiningコネクタとステレオスピーカーが下の側面にまとめられている

 実は筆者は、iPhone 5sとiPad mini 2という、スマートフォン&タブレットの2台体制でやってきた。しかし、2014年はiPad mini 2をアップデートせず、iPhone 6 Plus 1台のみに統合しようと考えていた。実際、iPad mini 2とiPad mini 3の違いはゴールドとTouch IDの有無であることを考えると、そもそも買い換える動機は薄かった。さらにモバイル環境ではできるだけモノを減らしたい、と考えてきた筆者にとって、2台が1台に統合できれば、モバイルのコンセプトとも合致する。

 iPhone 6 Plusの十分に大きくなったディスプレイは、YouTubeなどの映像、iBooksやKindleなどの読書に最適だ。iPhone 5sの112gよりは重たい172gのボディだが、iPad mini 2の重さのおよそ半分に相当するため、特に読書の機会は格段に増えた。ちょうど、iPhone 6 Plusのディスプレイに電子書籍を表示すると、文庫本の文字の部分と同じぐらいのサイズになるため、より読み進めやすい。タブレットもスマートフォンも、デバイスとしてはフィジカルさがあるため、サイズの問題は重要なのだ。

 筆者がiPad mini 2(購入時の2013年当時は「iPad mini Retinaディスプレイモデル」という名称だった)を選んでいた理由もまたサイズだ。

 MacBook Proを持ち歩いていると、どうしても9.7インチのiPadは大きすぎると感じていた。またiPad mini 2は、モレスキンのノートとほぼ同じサイズであった。持ち物のサイズが一致すると、カバンが選びやすくなる。そんな事を考えて、iPad mini 2を愛用してきた。しかしこれをiPhone 6 Plusにまとめよう、というのだ。

9.7インチタブレットの魅力を再確認する1台

スマートフォンとしては十分に大きくなったiPhone 6 Plusと並べてみても、iPad Air 2にはやはり画面の大きさによる快適性でアドバンテージがあることがわかる
スマートフォンとしては十分に大きくなったiPhone 6 Plusと並べてみても、iPad Air 2にはやはり画面の大きさによる快適性でアドバンテージがあることがわかる

 CNET Japanに掲載してきたレビュー記事の通り、米国では発売後、現在もなお品薄状態が続くiPhone 6 Plus。11月1日になんとか手に入れて、1カ月半使っているが、現在のところ、この統合は上手くいっている。その上で、iPad Air 2に触れたときの感想は、予想外のものだった。これだけ薄く、軽くなったiPad Air 2を前にして、9.7インチのiPadの魅力を再確認することになったからだ。

 もちろんしばらくiPhoneの画面ばかり見ていたこともあるが、いくら5.5インチが広いと入っても、9.7インチの広大さと比較すればその差は歴然だ。ウェブを見ても、ビデオを見ても、ひとりではもてあますほどの迫力がある。

 また、もし少し長めにメールの返事を書こうと思っても、そのままiPadを横長のランドスケープモードで構えれば、パソコンと同じようなサイズのキーボードが画面に現れる。iPhoneよりも、iPad miniよりも格段に速いスピードでのタイピングが可能だ。

 筆者はよく、スタイラスでスケッチをするのだが、iPhoneでせせこましくスケッチするのは無理だ、ということを思い知るほどに快適だ。何より、今までのiPadとは異なる、軽さ、薄さはイメージを一新してくれるのだ。そして、9.7インチというディスプレイのサイズの絶妙さに驚かされた。

活用範囲を拡げる将来への新機能

Touch IDを搭載し、指紋認証に対応した。筆者の手元のデバイスでの比較では、iPhone 6 Plusよりも素早く反応し、ロック解除ができるという印象を持った
Touch IDを搭載し、指紋認証に対応した。筆者の手元のデバイスでの比較では、iPhone 6 Plusよりも素早く反応し、ロック解除ができるという印象を持った

 iPad Air 2には、指紋認証のTouch IDが搭載された。個人的な感想だが、iPhone 6 Plusでのロック解除よりも、iPad Air 2でのロック解除の方が格段に早かった。日本ではTouch IDを生かしたオンライン決済「Apple Pay」は現段階で利用できない。しかしTouch IDの効果は高いと考えている。例えばビジネスユースの場合、自分に支給された1台のiPadを顧客に見せたり、他の人に渡して入力してもらう場面が多々ある。

 こうした際、EvernoteやDropboxなど、仕事やプライベートな情報にまつわるアプリにロックをかける必要があるが、パスコードではなくTouch IDで素早くロックを解除することができれば、使い勝手を損なわずセキュリティを守ることができる。また、カメラもフルHD動画の撮影に対応し、スローモーションやタイムラプスといったiPhoneと同様の撮影機能をサポートした。特にカメラ機能の向上は、iPhoneとほぼ同じ体験を、より大きな画面サイズで実現できる点で、ニーズが期待できる。

 iPad Air 2は、タブレットの魅力を再発見し、新しい魅力作りにチャレンジする、そんな意欲的な1台だった。個人的にはもちろん、例えば親世代が初めてタブレットを持つ際にも安心して勧められる1台と言えるだろう。

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