ついにベールを脱いだKDDIの「Firefox」スマホ--12月25日に発売へ

 KDDIは12月23日、モバイルOS「Firefox OS」を搭載したスマートフォン「Fx0(エフエックスゼロ)」を、国内通信事業社として初めて発売することを発表した。12月25日よりauオンラインショップとKDDI直営店で発売し、2015年1月6日から全国のauショップや家電量販店でも販売する。

 同日の記者発表会で登壇したKDDI代表取締役社長の田中孝司氏は、「ギークの人だけのために作ったスマホ。まったくビジネスは考えていない」と語り、場内の笑いを誘った。


 Firefox OSは、ホーム画面や電話帳アプリなど、スマートフォンのすべての機能をHTML5アプリとして開発して動作させることのできるオープンソースのOS。iOSやAndroidに続く“第3のモバイルOS”と呼ばれている。Mozilla Japanは7月末に開発者向けFirefox OS端末「Flame」を約2万円で発売していた。

 12月25日に発売されるFx0は、デザイナーの吉岡徳仁氏が手がけたスケルトンなボディが印象的なスマートフォン。さまざまなデバイスを連動させるプログラミングが可能な「ウェブサーバ」機能や、Fx0同士をタッチするだけで動画や写真を簡単に共有できる「Web-cast」機能などを搭載する。

ギーク層は既存のスマホで「飽き足らなくなっている」

 Fx0は、世界で16番目に発売されるFirefoxスマートフォンだ。田中氏は、Firefox OSならではの特徴として、プログラマが自由に端末やアプリを開発できるウェブOSであることや、低スペックの端末上でも動作する軽さ、スマホ自体がサーバになる点などを挙げる。また、3Dプリンタ用のFx0のカバーデータも公開するとしており、ソフトウェアもハードウェアもカスタマイズできる“つくる自由”を持った端末であるとした。

 「何となくギークの方は、既存のスマートフォンで飽き足らなくなっている。スマホは身近なものなのに、みんな同じものを持っていたらちょっとつまらない。それをデザインすることで、『こんなことが出来る』『これって面白いよね』と自慢できるのは中々いいんじゃないかなと思う。一般の方も、これから新しい時代が開けていくということを周りのギークの方に教えてもらえる」(田中氏)。

 ところで、同社は2011年に国内初となるWindows Phone「Windows Phone IS12T」を発売したが、売上げが芳しくなく、その後の後継機は発売されていない。この点について田中氏は「いくつか学んだことがある。本当にオープンなOSなので、いろいろなアプリがそこに乗ることで1種類の端末だけど幅広い見え方や楽しみ方ができる」とコメント。反響があれば、「第2、第3と(端末を)出していけるのではないか」と語った。

 Firefox OS搭載スマートフォンとして世界で初めてLTEに対応しており、同社では月間データ容量上限を2Gバイトとした専用のデータ定額サービスを用意する。また、新規契約と同時にFx0を購入すると最大2年間月額使用料を無料とする。新規契約・MNPの場合の月額料金は3800円、機種変更の場合は月額4734円となる。

 Fx0の本体サイズは、幅約70mm×高さ約139mm×厚さ約10.5mmで、重量は約148g。1.2GHzのクアッドコアCPU、約2370mAhのバッテリを搭載する。メーカーはLG Electronics。


KDDI代表取締役社長の田中孝司氏(左)と、Mozilla CTOのアンドレアス・ガル氏(右)

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