欧州連合(EU)は、「Windows」ユーザーにウェブブラウザの選択肢を与えるという、Microsoftに課していた要件を正式に解除した。
Microsoftが「Internet Explorer」(IE)を搭載したWindowsを販売する際に他の選択肢を提供していなかったことについて、これがブラウザ市場における不正な競争に当たるか否かをMicrosoftとEUは長期にわたって議論したが、2009年にブラウザ選択画面を表示することで合意した。後に「Browser Ballot」として知られる画面である。合意に基づき、Microsoftは欧州連合諸国のユーザーに対し、WindowsにIEをただ同梱するのでなく、Mozillaの「Firefox」やGoogleの「Chrome」などの競合ブラウザをIEと一緒に提供するブラウザ選択画面を提示することになった。
現在、Microsoftの「EU Browser Ballot」サイトには、「このウェブサイトは、欧州委員会が2009年12月に発行した決定に従い、Microsoftが作成したものである。この決定によって課されていた義務が失効したため、Microsoftはこのウェブサイトを終了する。ウェブブラウザに関する詳しい情報を知りたい場合や、別のブラウザをダウンロードしたい場合は、ウェブブラウザベンダーのウェブサイトを直接訪問することをMicrosoftは推奨する」と書かれている。
Microsoftがこの合意に署名したときにEUは、IEが70%の市場シェアを占めることを指摘し、ブラウザ市場におけるMicrosoftの支配力があまりにも強いと主張していた。IEの欧州における市場シェアは現在、データ分析の方法によって18~25%となっており、合意がIEの勢力縮小につながったことが明らかになっている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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