神奈川県では県中央に位置する10市2町を「さがみロボット産業特区」に位置づけ、ロボット産業の推進に取り組んでいる。すでにこの地域から商品化を遂げたロボットもあり、その試みは実用的かつスピーディーだ。地域ぐるみでロボット産業を推進するロボット産業特区では、どんなメリットが得られ、どう活用できるのか。特区として取り組む狙いから、活動内容までを神奈川県の産業労働局産業・観光部産業振興課 さがみロボット産業特区グループグループリーダーの渡部力氏に聞いた。
2013年2月に国から指定を受けてさがみロボット産業特区が誕生しました。特区地域は相模原市、平塚市、藤沢市、茅ケ崎市、厚木市、大和市、伊勢原市、海老名市、座間市、綾瀬市、寒川町、愛川町の10市2町になります。
神奈川県のものづくりというと、臨海部に位置する京浜工業地帯が有名ですが、実はさがみロボット産業特区に指定されている県中央地域には、企業の研究開発機関が多数存在しています。また相模原市には独立行政法人 宇宙航空研究開発機構 JAXA(JAXA)がありますし、ロボット関連産業となる機械、電気関連の企業も県の中央部に集中しています。
こうした企業の周りには関連企業も数多く存在しており、その中には日本の産業を支える独自技術をもった企業もかなりあります。そう考えていくと、関連企業や研究所が集積している県央地域を特区に指定して、より盛り上げていこうと考えました。
関連技術をもった企業は多いですね。またJAXAと地元の企業が連携して災害ロボットを作れないかという動きもありました。産業特区にすることで「突然ロボット?」と感じられる人も多いのですが、神奈川県では川崎市とともに、ロボット関連の人と情報を集めパートナー探しや、情報発信ができる「かわさき・神奈川ロボットビジネス協議会」の会員として参画していますし、科学教育の面では「ロボフェスタ」も開催しています。そういう意味では、かなり以前からロボットに取り組んでいました。
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