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地域ぐるみでロボットを推進--実用化に最も近い「さがみロボット産業特区」とは? - (page 2)

加納恵 (編集部)2014年12月25日 09時00分
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実証実験の場の提供と規制緩和で実用化を後押し

--では、実際にさがみロボット産業特区ではどんな形でロボット産業を支援しているのでしょうか。

 最も力を入れているのが実証実験です。特区内では「災害対応」「介護・医療」「高齢者等への生活支援」と大きく3つのロボット産業を中心に推進しているのですが、いずれも開発段階、商品化までの間に実証実験は不可欠です。

 たとえば介護・医療ロボットは、病院内の実証実験が必要になりますが、医薬品医療機器等法(前薬事法)の観点から、なかなか実験しにくい側面がありました。

 そこで、さがみロボット産業特区内では、神奈川県総合リハビリテーションセンターなどの現場で実証実験ができるよう環境を整えました。

  • 無人遠隔操縦ロボットの実証実験風景

 そうした場の提供だけでなく、規制緩和にも努力しています。災害対応ロボットで瓦礫の下に埋もれた生存者を探すロボットを開発しているメーカーがあり、屋内で模擬瓦礫を積んだ状態での実験は繰り返していらっしゃったのですが、やはり屋外でやってみないと有用性はわかりません。

 ただ、被災者探索に使うウルトラワイドバンドが電波法に触れるため、屋外での実証実験ができませんでした。そこで屋外でもウルトラワイドバンドが使用できるよう総務省と調整し、条件付きでしたが、実証実験ができるようになりました。

 やはり実証実験を実施することで、課題が見えてきますし、ブラッシュアップにもつながっているようです。

--対応する企業の近くに実証実験の場所を設けているのも便利ですね。

 そうですね。ただ実証実験の場の提供は全国の企業からも受け付けています。それ以上に立地的有利な理由としてさがみ縦貫道路の開通が挙げられます。

 さがみ縦貫道路は県中央部を南北に走る幹線道路等が不足しているため開通した自動車専用道路で、2014年度中に寒川北インターチェンジと海老名ジャンクションの間の開業が予定されており、全線開通します。このインフラが整備されることで、地域が活性化することが期待されます。

  • 自動走行技術(高度安全運転支援技術)の実証実験はさがみ縦貫道路にて実施した

 すでに自動走行技術(高度安全運転支援技術)を装備した自動車の実証実験の場としてもご協力いただいていて、そういう意味でもさがみロボット産業特区にとって、起点の1つとも言える場所です。

 自動走行技術(高度安全運転支援技術)を装備した自動車の実証実験は合計2回実施しています。一度目はインターチェンジ間での自動運転による走行、二度目は少しアップダウンやトンネルのある場所での自動運転による走行を行っており、異なるデータ収集が出来たそうです。

 その他、通常一般道で実証実験を行うには警察署の許可が必要で、1回の書類提出で最長3日間という期限が設けられています。しかし、自律運転車椅子ロボットの一般道での実証実験は9日間程度を予定していました。9日間使用するためには最低3回の書類提出が求められるのですが、書類をそろえるだけでも大変ですし、手間もかかりますから、特区内ということで一度の書類提出で9日間の使用を認めてもらいました。

  実証実験は場を設けることも大事ですが、こうした煩雑さを軽減することもとても重要だと感じています。


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