パリ発--Googleは現地時間12月10日、多目的コミュニケーションツール「Hangouts」をアップデートした。アップデートにより、Hangoutsアプリは、ユーザー同士がお互いを探している場合にそれを検知することが可能になり、両者がつながりやすくなった。
アップデート版アプリは、まずはGoogleのモバイルOS「Android」向けに提供されているが、「iOS」版も既にAppleに提出されており承認待ちの状況だ。さらにアップデート版では、スタンプやビデオフィルタ効果によって自分の気持ちや考えを伝えることもできると、Googleの製品担当バイスプレジデントを務めるBradley Horowitz氏は、パリで開催中のカンファレンス、LeWebで明らかにした。
更新されたアプリは、ユーザーが他のユーザーの居場所を(さまざまな方法で)尋ねると、自然言語処理を利用してそれを検知する。さらにアプリは自分の位置情報を送るかどうかを相手方に尋ねるが、情報の精度はカスタマイズ可能だ。
「これは、最も一般的な体験の1つだ。つまり、人々は実世界でつながろうとしている」とHorowitz氏は語った。映画鑑賞中や会議中、さらには雨に降られている時などは、それまで使っていたメッセージングアプリをいったん離れ、位置情報を取得してから元のアプリに戻って情報を共有するのは煩わしいものだ。「我々は、機械学習と自然言語処理を用いて支援を行う。1回クリックすれば、位置情報を共有できる。この操作はあくまで任意だ」とHorowitz氏はこの機能について解説した。
今回のHangoutsのアップデートは、Googleにとって、人が行う中でも最も重要かつ個人的な行為の1つであるコミュニケーションの仲介役になるという、非常に野心的な目標に向けた一歩だ。GoogleはHangoutsを、特定のニッチに向けたツールにとどまらない、万人向けで汎用性の高いサービスにしたいと考えている。
Horowitz氏も、Hangoutsがカバーする領域について、「テキストメッセージと電話、1対1接続と多対多接続、消費者と法人だ」と述べている。
さらに新たなアプリは、パフォーマンスと信頼性も向上し、デザインもGoogleが現在採用している「Material Design」スタイルに移行しているという。
もう1つの新機能として、ビデオチャット機能に関して、動画のスタイルを変更するフィルタが追加された。これにより、Shepard Fairey氏が制作したBarack Obama大統領の「HOPE」ポスターのような色彩や、モノクロ、セピア調などの視覚効果をリアルタイムで加えることが可能になった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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