カリフォルニア州オークランド発--「iTunes」担当責任者のEddy Cue氏は、Appleが10年近く前に「iPod」の競合製品にダメージを与えようとしたという主張に反論した。同氏は、iPodを保護し、当時まだ誕生したばかりだった音楽事業を普及させるため、ハッカーとの「終わりなき闘い」を繰り広げていたと述べた。
Appleに対する集団訴訟で証言台に立ったCue氏は米国時間12月4日、2011年に死去した前最高経営責任者(CEO)のSteve Jobs氏に関して「Steveは、ハッキングされるといつも、私とチームにひどく腹を立てた」と述べた。「ハッキングがあった場合には、一定期間内に対処しなければならなかった。そうしないと、彼ら(レコード会社)がすべての楽曲をiTunesから引き上げてしまうからだ」(Cue氏)
Appleは、iTunesソフトウェアとデジタルメディアプレーヤーのiPod、iTunesオンライン音楽ストアとの間で作り上げたエコシステムを他者が破壊するのを防ごうともしていた。「オープン化を試みた他の企業はみな、エコシステムが壊れたので失敗した」とCue氏は述べた。「私たちは、決して同じ轍を踏まなかったから、当時のような成功を収めている」(Cue氏)
集団訴訟の争点は、独占禁止法違反だという主張だ。同主張は、2005年に初めて提起されたが、その後徐々に修正された。その内容は、Appleが、iTunesソフトウェアのアップデートを使って同社がハッカーと見なしていた競合各社にダメージを与えることで、iPodの価格を2006年から2009年まで意図的に高く保ったというものだ。ソフトウェアに頻繁に修正を加えて、RealNetworksのような競合する音楽ストアの楽曲が消費者のiPodで再生できないようにすることで、Appleは法を破り、消費者に損害を与えて、デジタル音楽市場での優位を保てた、と原告団は主張している。
知名度の高いApple幹部がこの審理に出廷したのは、Cue氏が初めてだ。審理はこの日が3日目で、来週には結審すると思われ、その後、陪審の協議が始まる。Appleのマーケティング担当責任者であるPhil Schiller氏、さらには、宣誓証言ビデオを通じてJobs氏も、RealNetworksなどの企業がAppleの製品をリバースエンジニアリングしてシステムの脆弱性を突いていたと主張すると見られる。Appleは、iPodを強化したiTunesソフトウェアのアップデート(7.0と7.4)が技術に対する真の製品改善だったと述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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