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野菜事業に踏み出した東芝の本気度--プロジェクトリーダーが語る立ち上げから収益化まで - (page 3)

加納恵 (編集部)2014年12月08日 18時04分
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収益をしっかりあげられる、そういう事例になりたい

--先ほど商圏のお話もありましたが、販売先の獲得はどう取り組んでいるのですか。

 販路をいかに確保するかがこの事業では大事だと思っていますので、営業にはかなり力を入れました。新規事業開発部には、営業系の出身者も多いので、そうしたメンバーの力になってもらったり、あとは東芝テックというレジやPOSシステムを手がけるグループ会社に協力してもらいました。東芝テックのお客様には飲食店がかなりありますから。そういう部分でもグループ内で協力しています。

--通常の野菜に比べて高価なのではという声も聞きます。

 東芝クリームルームファーム横須賀では、1種類の野菜を袋に収めた「パック野菜」と、カット野菜をカップに入れた「カップ野菜」の2種類を出荷しています。

  • 「カップ野菜」は野菜のカットからカップに詰める作業までクリーンルーム内で実施している

 パック野菜は確かに通常栽培の野菜に比べ高価ですが、その分天候に左右されずに安定供給できる強みがあります。またカップ野菜はクリーンルーム栽培をされている同業他社にはない商品なので、差別化を打ち出せると思っています。

 野菜のカットから、カップに詰める工程までをクリーンルーム内でやっていますから、商品としての価値も上がっていると思います。東芝は後発ですから、他社と同じところを狙っていてもだめで、特徴を打ち出さなければいけません。クリーンルームで作るのならば、カップづめまでほぼ無菌状態で作ろうという思いからカップ野菜は実現しました。

--味についての評価はいかがですか。

  • 十分な量の光を照射することで、しっかりした味の野菜に育つという

 食品業界のプロの方にも試食していただいていますが、しっかりした味で歯ごたえもあると評価いただいています。光の量をかなりしっかり与えているので、その辺りが“しっかりとした野菜の味”に結びついているのだと思います。

--パック野菜、カップ野菜ともに東芝ブランドを採用されるのですね。

 ええ。ブランドに関しては社内でも相当の時間、議論を重ねました。今までの東芝とは異なる新規事業ですから新たなブランド名をつけたほうがいいという意見ももちろんあり、実際に商標のチェックなどもしていましたが、逆にブランド名をつけるとイメージが固定してしまいそうな気がしたのです。

 東芝ブランドをそのまま野菜にもつけることで、新規事業を本気でやっている雰囲気も出ますし、潔い気がしてそのまま東芝ブランドを採用しました。

--今後の展開について教えて下さい。

  クリーンルームファーム横須賀工場から出荷できるのは、1日約8000株です。このフルキャパを出荷できるくらいのお客様を2014年度には獲得したいと思っています。幸運にもそれ以上の注文がきたり、関東圏以外の地域からオファーがきたりした場合は、工場を増やすことも検討していきたいです。

 東芝がこの事業で目指すのは、ちゃんとした野菜を作って、きちんと収益をあげることです。クリーンルームでの野菜栽培は今いろいろな企業が取り組んでいます。実証実験などを含めるとその数はとても多い。私たちはそうした実証実験的なことではなくて、収益をしっかりあげられる、そういう事例になりたいです。

 今回、工場の場所は商圏が大きい関東圏、高機能野菜ではなく手に取りやすいスタンダードな野菜栽培をしたことも、この野菜事業で収益をしっかり挙げることを第一の目標に据えているからです。スタンダードなものをしっかりと作って提供する。流行り廃りではなくて、軸になるものをしっかりと取り組む。それをキープしながら将来的には、コストを下げ、ビジネスとしての弾力性を確保していく、それが当面の目標です。

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