カリフォルニア大学バークレー校のロボット工学教授であるKen Goldberg氏は、「それだけの需要に応えるにはロボットが不可欠だ」と述べた。人間はロボットほど速く働けない。
Amazonの倉庫作業を高速化するKivaロボットは、現代の世界でよく話題になる重大な疑問を提起する。人間の仕事のうち、機械でも処理できることはどれくらいあるのだろうか。自動車製造業界は既にその答えを知っている。さまざまなテクノロジメーカーも同様だ。世界最大級の電子機器メーカーで、Appleの主要サプライヤーでもあるFoxconnは数年前、作業員をロボットに置き換えようとしていると報じられた。サンフランシスコの有名なゴールデンゲートブリッジを渡ると、料金徴収係は1人も見当たらない。料金所のプロセスは完全に自動化されているからだ。
その流れが止まる気配はない。専門家は、10~20年以内にロボットが人間の仕事の半分を奪うと見ている。Pew Research Centerが8月に発表した報告書によると、調査対象者の大多数は、ロボットが「2025年までに日常生活の多くの部分に浸透し、医療、輸送、物流、顧客サービス、住宅メンテナンスなど、多様な業界に極めて大きな影響を及ぼす」と考えているという。
これまでのところ、AmazonはKiva導入に伴う解雇は全く行っていないとしている。むしろ、導入後にさらに人員を雇用したという。AmazonはKiva導入後に雇用した人数を明らかにしていないが、Kiva買収の前年である2011年以降、計6万1110人を雇っている。過去2年で従業員数がほぼ2倍に増えたことになるが、2013年にその成長率は低下した。
Amazonのワールドワイドオペレーションおよび顧客サービス担当シニアバイスプレジデントであるDave Clark氏は次のように述べている。「Amazonのフルフィルメント作業で人間の果たす役割は極めて重要だ。例えば、プレゼントの包装を考えてみてほしい。機械でやることは可能だろうか。不可能ではない。機械による包装は、人間の手による包装と同じに見えるだろうか。同じ暖かみはあるだろうか。答えはノーだ」
とはいえ、Amazonはアイテムをつかむことのできるロボットの開発に取り組んでいる。実現すれば、商品を選び取るRosales氏のような従業員をロボットに置き換えることに一歩近づくだろう。
その一方で、Amazonは特に熱心な従業員の名前をKivaロボットの筐体の外側に書くことで、協力を促している。トレーシーでは、同社が開催するコンテストの結果を踏まえて、87体のロボットに施設で働く従業員にちなんだ名前が付けられている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
パナソニックのV2H蓄電システムで創る
エコなのに快適な未来の住宅環境
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス