Googleが、ウェブ購読機能をユーザーに提供する「Contributor」というプログラムのテストを行っている。購読できるのは、Contributorのテストに参加している10のウェブパブリッシャーだけだ。このプログラムでは、ユーザーが月額1~3ドルを支払うと、ウェブサイト上に広告の代わりに感謝の言葉が表示される。
Google Contributorの公式サイトには、「ユーザーが参加ウェブサイトを訪問すると、寄付金の一部がそのサイトの作成者に支払われる。寄付金が多ければ多いほど、ユーザーは自分の訪問するウェブサイトをより手厚く支援することになる」と書かれている。
寄付金を支払ったユーザーに対しては、Googleが通常提供する広告の代わりに、感謝の言葉が表示される、と広報担当者のAndrea Faville氏は述べた。この実験に参加している10のパブリッシャーとしては、写真共有サイトImgur、ニュース風刺サイトThe Onion、テックニュースサイトMashable、スラング解説サイトUrban Dictionaryなどがある。
Googleが広告売り上げを収益源としている企業であることを考えると、Google Contributorは興味深いアイデアだが、これまでのところ、同プログラムは単なる実験にすぎない。Googleは、参加希望者が登録できるように、順番待ちリストのフォームを公開している。
広告収入型の無料コンテンツはインターネットベースのサービスを迅速に公開する手段として人気を確立してきた。FacebookのソーシャルネットワーキングやTwitterの情報フィード、Googleの検索などのサービスを資金面で支えているのは、広告だ。
しかし、広告には良くない面もあると一部の人は考えている。広告は、それに興味を持つ可能性が高い人を標的にしたときに、より大きな効果を発揮する。つまり、ウェブサイト運営者には個人情報を追跡する動機がある。最もよく聞かれる不満は、ユーザーの個人データが商品になっており、ウェブサイト運営者はそれを広告主に販売しているというものだ。
Google Contributorのサブスクリプションが事実上意味するのは、ユーザーがプライバシーと広告非表示の体験を手に入れるために料金を支払うということだ、とGoogleは示唆した。
Googleがサブスクリプションの売り上げをパブリッシャーとどのように分配するのかも不明だが、それはGoogleの広告を表示する既存の状況と全く同じだ。Faville氏は、「Googleの取り分は、われわれが広告表示料として広告主に請求する金額と同じだ」と述べた。
「売り上げの分配においてパブリッシャーの受け取る金額は、基本的に彼らのサイト上の広告スペースの(広告オークションにおける)市場価格だ。したがって、パブリッシャーに支払われる金額はそれほど影響を受けないだろう。ただし、ユーザーのContributorアカウントの金額が多ければ多いほど、広告の代わりに感謝の言葉が表示される頻度が高くなる」(Faville氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したもので す。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
開発経験ゼロからのローコード開発で
医療ニーズに応えた病院向けシステムを構築