カメラ搭載クアッドコプターには、おもちゃでしかないと思われても仕方がないようなものもあるが、DJIの「Inspire 1」は決しておもちゃではない。
DJIが世界初の4K空中撮影カメラと宣伝しているInspire 1は、2014年に発売された「Phantom 2 Vision+」を進化させたモデルだ。進化の度合いは非常に大きく、それは2900ドルという価格にも反映されている。
カーボンファイバ製の着陸装置が離着陸の際に自動的に昇降するため、最大4K/30fpsの動画撮影(1080p/60fpsでの撮影にも対応)時や、12メガピクセルの静止画の撮影時に、カメラの94度の視野角が遮られることはない。カメラは360度回転し、125度傾く。
カメラはVision+と同様に3軸ジンバルに取り付けられており、急に動いたときや強風が吹いたときでも滑らかな映像を撮影できるようになっている。全体的に従来のものよりさらに頑丈になったようだが、それよりも重要なのは、カメラを簡単に取り外せることだ。そのため、カメラを装着せずにInspire 1を飛ばしたいときや、故障したカメラを交換するとき、あるいは将来カメラをアップグレードしたくなったときも、工具は必要ない。
スマートフォンでカメラ設定を調節するためにコントローラから手を離す必要もなくなった。Inspire 1のリモコンには、左上と右上の角にカメラコントロールが組み込まれているからだ。2つめのコントローラをほかの人に渡して、カメラの操作を完全に任せることもできる。
コントローラにはDJIの無線伝送技術「Lightbridge」も搭載されており、1080p動画を「iOS」デバイスや「Android」デバイスにライブストリーミングできるため、最大で約1.7km離れた場所から撮影を行うことができる。背面にUSB端子とHDMI出力端子を備えており、スマートフォンやタブレット、ディスプレイに直接接続することが可能だ。
Inspire 1の操縦は、Vision+を飛ばすよりも簡単なはずだ。Vision+の操縦も非常に簡単なので、これは相当なものだと言える。Inspire 1は買ってすぐに飛ばせる(Ready To Fly:RTF)モデルであり、何もいじる必要はない。色分けされたセルフロック型プロペラを取り付けて、機体を充電するだけでいい。
Inspire 1はボタンを1つ押すだけで離陸や着陸ができる。自分で着陸させたいという場合も、底部の幅が広く緩衝器も備えているため、多少激しく着陸させた場合や、少し傾いた状態で着陸させた場合も、転倒する可能性は低い。
屋内で撮影するときや、GPSロックを利用できないときも正常に飛行できるように、機体底部にカメラとセンサが搭載されており、このカメラとセンサによって地上の立体画像が作成され、ユーザーが絶えず調整しなくても安定して飛行できるようになっている。
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