エボラ対策でロボット活用--可能性を探る - (page 2)

Mariel Myers (CNET News) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子2014年11月18日 07時45分

 またGoldberg氏は、短期的な視点で見た場合、清掃作業や消毒作業にロボットを利用できると考えている。しかし、これには克服すべき大きな障害がある。ほとんどのロボットは車輪で移動するため、簡単に汚染されてしまうのだ。

 「実際のところ殺菌方法は分からない。複雑な可動部品があまりにも多くある。このため、使用後はロボットを廃棄しなければならないだろう」(Goldberg氏)

 Goldberg氏は、数年後に研究者がエボラウイルスの研究を進める過程で、ロボットがバイオ関係の研究所での実験で定型的な作業をこなすようになると期待している。しかしそれにはまず、ロボットが透き通った素材のものを認識する能力に磨きをかける必要がある。現在のところ、試験管やビーカー、スライドガラスといった、研究所で使用されるガラス製の器具類はすべて、ロボットにとって認識しにくい物体となっている。

 Goldberg氏の語る2つ目の利用形態は、長期的な視点から見たエボラ出血熱との戦いで、静脈に針を刺して血液サンプルを採取したり、点滴を投与するという役割をロボットが担うというものだ。適切な静脈を見つけるために患者の皮膚に何度も針を刺してしまうという話は、技術の進歩によって防げるはずだ。

 Goldberg氏は「新たな画像処理技術を使用すれば、より正確に静脈を探り当て、注射針の位置決めをより正確に行えるようになる」と述べた。

 エボラウイルスとの戦いでロボットが幅広い役割を担えるようになるのは、数年先の話になるだろう。このためGoldberg氏は今回のエボラ危機を、その次に来るであろう危機に備えるためのものとして捉えている。

提供:CNET
エボラ危機を乗り切るうえでロボットを活用できる可能性はあるものの、奇跡は期待できない。
提供:CNET

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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