10月25日~11月3日の10日間にわたり、 明治神宮外苑でクリエイティブイベント「TOKYO DESIGNERS WEEK 2014」が開催された。会場内の一部では「スーパーロボット展」と題し、さまざまなロボットや身体拡張デバイスが展示されていた。同展の特徴は「テクノロジー×デザイン」をテーマに、テック界やギークとしてのロボットではなく、デザインやアートなどのクリエイティブに特化していることだ。
場内で最も人だかりができていたのが、受付嬢をつとめていた美少女アンドロイド「ASUNA(アスナ)」。生きた人間そっくりのビジュアルや表情豊かな動きで、来場者たちを驚かせていた。実は別の場所で女性がモニターを見ながらASUNAを遠隔操作しており、目の前に立った人がカメラを向けていれば「それはiPhoneかな?」と話しかけたり、外国人が立つと英語で挨拶をするなど、流暢な会話を繰り広げていた。
数々のユニークなデジタル楽器を手がける明和電気は、ゴムの声帯に空気を送りテンションを変えることで歌う「セーモンズ」を展示。自分が出した音を聞いて、正しい音程になるように制御するものだ。また、バイバイワールドはタブレットに表示されたスイッチにタッチするとロボットがパチンと音を立てる「拍手マシーンズ」を展示して、来場者を楽しませていた。クリエイターのKIMURA氏は現在、ロボットが自動で演奏する3ピースバンドの開発を進めており、会場ではオートギターのデモが披露されていた。なお、同氏はガソリンで動き散歩もできる屋外犬「INU」も手がけている。
歩行用ロボットとしては、スマートフォンで操作できる小さなヒト型ロボ「PLEN」が展示。2006年に発売され、現在はより小型なモデルを開発中。将来的には胸ポケットにも入る超小型サイズを目指すとしている。ディアゴスティーニ・ジャパンから2013年に発売された、雑誌付録のパーツを組み立てることで完成するロボットキット「ROBI」は、音声認識機能を備えており、曲に合わせてダンスをしたり、テレビを操作したりしてくれる。
ロボットによる月面探査に挑む日本初の民間宇宙開発チームであるハクトは、ミッション達成に向けて9月に発表した最新の月面探査ローバー「Moonraker」と「Tetris」を展示し、試作機の操縦もしてみせた。グーグルがスポンサーを務める、民間による月面無人探査を競うコンテスト「Google Lunar X Prize」の日本代表に選ばれており、勝利を目指して開発を進めているという。なお、すでに世界31チームのうち10チーム近くがリタイア。その中で、ハクトは中間レビュー5位という好成績を残している。
スーパーロボット展で、ひときわ注目を集めていたのが”ロボット女子”たちだ。現在18歳の近藤那央氏が代表を務めるTRYBOTSは、潜水や旋回が可能なペンギン型水中ロボット「もるペン!」を開発。改良を加えた最新モデルでは3m近く潜ることに成功している。今後は、より本物のペンギンに近づけるべく開発を続ける。また、20歳のきゅんくん氏は、身体拡張ではなく”ファッション”として身につけるロボットスーツ「合体への道2」を展示。ゆくゆくは機能性も持たせ、コミュニケーションできるロボットスーツにしたいと話す。
このほか会場では、急流でも泳げるうなぎ型ロボットや、機能だけでなくデザインも選べるロボット義手、そしてロボット義足を展示。さらに、フィーチャーフォンのキーバッドで全身が覆われたユニークなスーツ「KEITAI GIRL SUIT」なども展示されていた。
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