手首に装着するタイプのアクティビティトラッカーは、ほとんどが何らかのディスプレイを備えているが、Jawboneの「UP」は違う。UPシリーズは基本的に控えめなデザインを採用しているため、どれもテクノロジ製品というより宝飾品のような感じがする。AppleやGoogleなどの動きを受けて、現在、あらゆるウェアラブル企業が自社のハードウェアカタログの拡充に取り組んでいる。今度はJawboneの番だ。筆者はニューヨークで、Jawboneの最新のフィットネストラッカーである「UP3」と「UP Move」を試す機会を得た。どちらも腕時計ではない。Jawboneが作り出したのは、前機種よりさらに洗練されたリストバンドと、驚くほど手ごろな価格の小型トラッカーだ。
2013年の「UP24」から1年後に発表された新しいJawbone UP3は、前機種と同じ控えめなアプローチを目指しているが、その傾向がさらに強くなった。水深10mの防水性能も備える。少し離れたところから見ても、近くから見ても、スマートデバイスというよりブレスレットのような印象を受ける。そして、心拍数を追跡する機能も追加された。1回の充電で、1日24時間、1週間にわたって心拍数を追跡することができる。
突然、ウェアラブルヘルスデバイスを手がけるあらゆる企業が、心拍数を24時間絶え間なく追跡する機能を追い求めるようになった。「Microsoft Band」「Fitbit Charge HR」「Fitbit Surge」「Basis Peak」がこの機能を備えており、今回、Jawbone UP3も対応した。UP3とほかの製品の違いは、使用されている技術だ。Jawboneが2013年に買収したフィットネスバンドメーカーBodyMediaの技術に基づく生体インピーダンスセンサが採用されている。ストロボが点滅する緑色のLEDを背面に搭載するのではなく(この技術的アプローチは、「Moto 360」からサムスンの「Gear」スマートウォッチ、Fitbit Charge HR、Microsoft Bandまで、ほぼすべての競合機種で採用されている)、Jawbone UP3は電気生体インピーダンスの測定値を伝える金属スタッドを内蔵している。心拍数の測定という目的は同じだが、Jawboneによれば、Basis Peakのように周囲の温度や皮膚の温度も測定できるという。UP3は防水性能も備えており、装着したまま水泳やシャワーが可能。一部の心拍数トラッカーはこれを実現するのに苦労している。
筆者はブリーフィングの際にサンプルのUP3バンドをいくつか試着することができた。滑らかで快適に感じられ、どの競合製品よりはるかに小さい。前面部分とフレームは陽極酸化アルミ製だが、それ以外の部分は柔らかい感触で、手首にぴったりとフィットする。UP3に比べると、旧モデルのUPバンドは大きくて分厚く見える。従来のUPバンドと異なり、UP3はフリーサイズだ。Jawboneのほかの象徴的な製品デザインもすべて担当してきたデザイナーのYves Behar氏は、より宝飾品に近い留め金を追加した。腕時計とネックレスの中間のような留め金で、バンドを固定する。
Jawboneの刷新されたアプリに含まれる新しいソフトウェアによって、ランニングからヨガ、テニス、「Zumba」まで、UP3を使ったさまざまなアクティビティを追跡でき、ユーザーは運動を終えた後にそれぞれ異なるタグを付与することができる。しかし、Jawboneのフィットネスで中心となるのは、睡眠の追跡とストレスレベルだろう。睡眠追跡に心拍数追跡が組み込まれ、夜間の休息時に計測された心拍数が、フィットネスの新しい基本目標として使用される。Fitbitによると、同社のCharge HRトラッカーとSurgeトラッカーにも2015年前半に同様の機能が追加されるという。
しかし、UP3は少なくとも米国では2014年に発売される。他国での発売は2015年になる予定だ(Jawboneは、英国では「冬」、オーストラリアでは「夏まで」に発売するとしている)。まず「Black Twist」デザインが発売され、2015年には「Silver Cross」(下の写真に写っているグレイとシルバーのデザイン)も発売される。心拍計技術が追加されたため、UP3は旧モデルより少し高価になった。米国では、現在も販売されているUP24が130ドルなのに対し、UP3は180ドルだ。
また、新しいUP3対応Jawboneアプリも2014年に「iOS」版が提供される。「Android」版のリリースは2015年の予定だ。
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