コンシューマーテクノロジの世界は日進月歩だ。特にモバイルデバイスの進歩は目覚ましく、今日の流行が明日には時代遅れになる。1年ごとの製品刷新が当然のものとなり、最新かつ最高のデバイスを貪欲に求める中毒的な欲望を煽っている。
そう考えると、2013年のタブレットの中でもとりわけ人気が高かった「iPad mini」をAppleが脇に連れ出し、事実上、もう1年がんばってくれと伝えたことは興味深い。確かに、2014年に新しいiPad miniが発売され、製品名が新しくなり、新機能もいくつか追加された。しかし、スペックを一目見れば、前機種とほとんど変わらないことに気づくだろう。
前面の2048×1536の7.9インチディスプレイは2013年モデルと同じものだ。「iPad mini with Retina display」はこのディスプレイを搭載していたために、解像度の低い旧モデルから大幅なアップグレードとなった。今でもこのディスプレイは、どの角度から見ても美しく、コントラスト比も高い。色再現性も優れており、IPSに期待される長所をすべて備えている。
プロセッサは2013年モデルと同じ1.27GHzの「A7」で、1GバイトのRAMを搭載。このスペックであれば、ほとんどの状況に十分対応できるパフォーマンスを得られるばかりか、ほとんどの点で2013年の「iPad Air」に肉薄している。しかし、新しい「iPad Air 2」は1.94GHzの「A8X」チップにアップグレードされ、RAMが2Gバイトに強化されたため、新iPad miniからすれば多少の羨ましさはあるはずだ。もちろん、現時点でパフォーマンスが不十分だと評することはできないが、今から数年後、「iOS」の新バージョンがデバイスを再び全面刷新するような機能を提供したとき、現行のiPad Air 2くらいの性能は欲しいと感じるかもしれない。
しかし、もう一度言うが、「iPad mini 3」の性能は現時点では十分なものだ。われわれはお気に入りのゲームをすべて試してみたが、どれも快適にプレイすることができた。処理落ちやコマ落ちはない。ウェブサーフィンも同様だ。「Safari」のページ読み込みも速く、タッチの感度も極めて良好だった。さらに、「SunSpider」の473msというスコアは相当なものだ(ただし、iPad Air 2に比べて約33%遅い)。
iPad mini 3は2013年モデルと全く同じ筐体に収められており、丸みを帯びた縁などのスタイリングの特徴は、「iPhone 6」にも継承されている。iPad miniでこのデザインが採用されるのは3年目だ。今でも新鮮なデザインだが、7.5mmという厚さは6.1mmのiPad Air 2と並べると、少し分厚い感じがする。ありがたいことに、バッテリ持続時間は期待を裏切っておらず、2013年モデルと同じ10時間を維持している。米CNETのテストで酷使しても、バッテリは優に丸1日持続した。カメラも変わっていない。前面カメラは1.2メガピクセル、背面カメラは5メガピクセルのままだ。
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