9.7インチの「Retina Display」は、2013年モデル(そして2012年のモデル)と同じ2048×1536ピクセルの解像度であるが、さまざまな点で以前よりも若干良くなっている。AppleはiPhoneと同じようにこのスクリーンを覆うガラスを直接的にラミネートし、ガラスの層を減らしている。また、反射防止コーティングも施された。これで反射が完全になくなるわけではないが、一般的な室内や屋外の環境では、反射が軽減される。すべてが少しずつ良くなっている。
ステレオサウンドは、今回も「Lightning」ポートの両側にある2つのスピーカーから出力される。サウンドは十分によいが、驚くほどではない。ただ不思議なことに、音声を出すときの共振は従来のモデルよりも大きい(これはiPad Air 2のアルミニウムボディが薄すぎることが原因かもしれない)。大きな音を出すと、ボディが振動する。iPadでステレオ音声を大音量で聞くことが好きな人は、これが気になるかもしれない。
全体的に見れば、iPad Air 2のディスプレイは、過去のiPadほど強烈な印象を与えるものではない。これは、よりピクセル密度の高い、高解像度のディスプレイが出回っているからだ。今年はiPhoneが大きくなり、iPadとのサイズのギャップも小さくなっている。とはいえ、2015年により大きく、解像度の高いiPadが出るとすれば、それも悪くはないが、現時点ではこれで十分だ。
iPadユーザーにとって、iOSは期待していたほど大きなアップグレードではなかったかもしれない。違いは目立たないところにある。ポップアップ通知は改善され、画面上部からスワイプで下ろしたウィジェットは、一目で情報を見て取れるようになり、サードパーティーのスクリーンキーボードや、ブラウザとアプリのプラグインおよび拡張、iPhoneおよび「OS X Yosemite」を使用しているMacとの間の「Handoff」「Continuity(連係)」の改善を含む、数多くの改良が施された。
同じW-Fiネットワーク上にあるiPhoneに電話がかかってきたときには、iPadも鳴る。また、メッセージはiPadでも読むことができる。Macでは、iPadで行っていた作業をデスクトップやノートブックでそのまま開けるようになった。「iCloud Drive」は改良され、MacとiOSデバイスでファイルを共有する共有ディレクトリとして利用できるようになっている。さらに前編でも書いたとおり、「iOS 8.1」では「Apple Pay」も追加された。
iOSに追加されなかったのは、さらに使い勝手のいいマルチタスクや、iPadの画面の広さを生かした画面分割機能だ。筆者はiPadをPCとのハイブリッドデバイスとして利用し、ノートブックを永遠に使わなくて済むようになることを夢見てきた。iOS 8.1では、そういう方向性は狙っていない。
Appleは今回、iPadユーザーに向けて新たなニンジンをぶら下げている。iPhoneと同じように、物理ストレージもiCloudのストレージも、大容量をより手頃な価格で手に入れられるようになった。ローエンドのiPad Air 2は、ストレージが16Gバイトしかなく、拡張スロットもない。しかし上位モデルについては、2013年は32Gバイトと64Gバイトだったものが、今回は64Gバイトと128Gバイトになり、価格もそれぞれ100ドルずつ高くなっていくだけだ。それでも、Wi-FiモデルのiPadには最大700ドル支払うことになるし、これは多くのノートブックと同じ水準だ。(LTE接続もできるモデルであれば、さらに高くなる)。
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