Googleが、Magic Leapという新興企業の投資ラウンドを主導した。調達額は5億4200万ドル。Magic Leapは、ゆくゆくはコンピュータとスマートフォンの画面を仮想現実インターフェースで置き換えたいと考えている。2011年に設立され、フロリダ州を拠点とする同社は、「Google Glass」のように機能するヘッドマウントデバイスを開発している。このデバイスを作動させると、コンピュータが生成した画像が、装着者が普通に目にしている物の上に表示される。
今回の投資ラウンドは、ユーザーが目にしているものをコンピュータが生成するイメージで置き換えるウェアラブル技術を提供する企業に対して、大手ハイテク企業の関心が高まっていることを示している。世界最大のソーシャルネットワーク企業のFacebookは2014年7月、Oculus VRの20億ドルでの買収を完了した。Oculus VRはゴーグル型のヘッドマウント仮想現実デバイスの開発元だ。また、ビデオゲームコンソール「PlayStation」の開発元であるソニーも仮想現実デバイスを開発中であり、スマートフォン業界大手のサムスンも同様だ。
Magic Leapが他社と異なっているのは、ユーザーが酔いを催さないようにする技術を提供している点だ。これは、仮想現実ヘッドセットの開発元にとって共通の課題となっている。
今回、GoogleもMagic Leapへの出資に乗り出した。そしてGoogleの関心は、Magic Leapに資金を提供することにとどまらない。Googleの幹部で同社モバイルOS「Android」、およびウェブブラウザの「Chrome」を統括するSundar Pichai氏がMagic Leapの取締役会に加わる予定だ。
Pichai氏は声明で、「われわれは、Magic Leapが成長の次なる段階へ進むことを期待するとともに、同社によってビジュアルコンピューティングの未来がどのように形成されるのかを見ることを楽しみにしている」と述べた。
GoogleがMagic Leapのために用意している最終的な計画は、まだ明らかになっていない。GoogleのM&A責任者であるDon Harrison氏は、Magic Leapの取締役会にオブザーバーとして参加する予定だ。とはいえ、Googleの買収戦略に詳しい情報筋によると、GoogleにはMagic Leapを買収する計画はないという。
Googleは、本件についてそれ以上のコメントを控えた。Magic Leapは、コメントの要求に対してすぐには回答しなかった。なお、今回のMagic Leapの資金調達ラウンドにはほかにも、チップメーカーのQualcomm、映画製作会社のLegendary Entertainment、Andreessen Horowitz、Kleiner Perkins Caufield & Byersといったシリコンバレーの著名ベンチャーキャピタルが参加した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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