Googleは米国時間10月10日、最新の透明性レポートを公開し、「忘れられる権利」への対応を5月29日に開始してからこの日までの間に、14万4907件のリンク削除要請が寄せられたことを明らかにした。これらの要請によって削除が求められたウェブページの総数は49万7507件に及ぶ。削除要請された約50万ページ分のリンクのうち、この日までにGoogleが削除したリンクの数は17万506件(41.8%)、削除を拒否したリンクの数は23万7561件(58.2%)だった。
Googleがリンク削除要請への対応に時間を割かなければならないのは、欧州連合(EU)司法裁判所が5月に下した判決のためだ(この判決は、のちに「忘れられる権利」判決として知られるようになった)。この判決により、欧州の人々はGoogleなどの検索エンジンに対し、検索結果に含まれる情報が自分のプライバシーを侵害する恐れがある場合、あるいは、何らかの理由によってもはや関連性や妥当性を欠く場合には、リンクの削除を要請できるようになった。
Googleは5月に下されたこの判決について、「検索エンジンおよびオンラインパブリッシャー全体にとって失望させられる判決」と述べて批判したものの、裁定に従うことを余儀なくされ、自分に関する検索結果に不満なユーザーがリンクの削除を要請するためのオンラインフォームまで設置した。この対応は困難を伴うもので、Googleはおびただしい数の要請を受理するだけでなく、それぞれの要請についてリンクを削除すべきかどうかを判断する必要がある。
ただし、第三者によって公開および投稿されたオンラインコンテツ自体をGoogleが管理することはできない。そのため、判決がGoogleに求めているのは、そのコンテンツへのリンクを含む検索結果を削除することだけで、コンテンツ自体は、パブリッシャーなどの第三者が削除しない限り残ったままとなる。
この判決が適用されるのは欧州のみだ。10日の時点で、最も削除要請が多かった国はフランスで、2万8898件だった。2番目はドイツの2万4979件、そしてイギリスの1万8304件、スペインの1万3316件、イタリアの1万1379件と続く。
Googleが削除したリンクをドメイン別に見ると、削除されたURLが最も多いのはFacebookで、3331件が10日時点で削除されている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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