ソーシャルメディアマーケティング支援事業を手がけるアライドアーキテクツの子会社でシンガポールに拠点を置くAllied Asia Pacificは、Facebook社からFacebook広告における公式APIパートナーの認定を受け、そのクリエイティブ制作に特化したクラウドソーシングサービス「ReFUEL4(リフュールフォー)」の提供を開始した。
ReFUEL4は、Facebook広告を出稿したい広告主企業と、その制作を請け負いたいクリエイターのマッチング、ならびに広告クリエイティブの発注・納品をオンライン上で可能にすることで、Facebook広告運用の最適化を実現するサービス。Allied Asia Pacific がパートナー契約を結ぶSPMD(Strategic Preferred Marketing Developer Programの略。Facebookから認定マーケティングデベロッパープログラム(PMD)に選定された企業の中からさらに厳格なプロセスを経て選ばれた企業のこと)のNanigansを通じて、企業に提供される。
最大の特徴は、広告主企業が支払わなければならない費用とクリエイターが受け取る対価が、採用されたクリエイティブがもたらした実際のCTR(Click Through Rateの略。広告がクリックされた割合のこと)に応じて算出される従量課金制の料金体系であること。
これにより、企業は効率的にどのクリエイティブがどのような効果を生み出しているのかを把握し、効果検証を重ねることができる。一方、クリエイターにとっては、制作したクリエイティブの成果によって採用可否が判断されるため、無用な価格競争に巻き込まれずに済むというメリットにもつながると、Allied Asia Pacificのマネージングダイレクター 瀧口和宏氏は話す。
もう一つの特徴は、広告主企業は国籍を問わずさまざまなクリエイターからクリエイティブの提案を受けられること。同氏いわく、事業の海外展開を図る際にターゲットと定める国で現地のクリエイターを抱えることが難しい企業もある中、ReFUEL4を活用すれば現地の事情に精通したクリエイターからの提案を効率的に受けることができるという。
現時点で、ReFUEL4には3000人のクリエイターが登録をしており、国籍として多い国はアメリカ、フィリピン、インドネシア、タイ、ヨーロッパの国々など多岐に渡る。これまでは、主にFacebook広告でクリエイターの登録を呼びかけてきたが、今後はクリエイター同士が登録を促すような機能の実装も検討するなどして、2014年内に1万人の登録を目指すという。
ReFUEL4には、広告主企業向けとクリエイター向けの2つのダッシュボードがある。企業はダッシュボード上に制作プロジェクトのタイトルや募集するFacebook広告の型(デスクトップ・モバイルのニュースフィード・サイドカラムのいずれか)、広告を掲載する目的、掲載スケジュール、ターゲットと定める国、言語、色のトーン、独自のガイドライン、クリエイティブに入れたいキーワードなどの要件を入力。そして、制作する際に活用してほしい画像ファイルなどの素材をアップロードする。すると、その内容がクリエイター向けのダッシュボードに表示される。
クリエイターがダッシュボード上で要件を確認し、クリエイティブを制作しアップロードすると、ダッシュボードを介して企業に通知が届く。企業はそれを確認し、採用、却下、検討のためのキープのいずれかを選択する。採用されたクリエイティブは、Facebook広告の管理ツールページ上のイメージライブラリに自動的に表示され、企業が広告キャンペーンに利用できようになる。
クリエイティブが採用され掲載された広告のクリック数、CTRなどの実績は、広告主企業向けとクリエイター向けのダッシュボードの両方にほぼリアルタイムで表示される。
掲載された広告のCTRが世界全体で掲載されるFacebook広告の平均値とされる数値以上だった場合、企業がNanigansなどのPMD/SPMD企業に支払う広告費用に金額の3%が上乗せされる。その上乗せされた分が、クリエイターとAllied Asia Pacificとで分配される。利用したクリエイターからは、成果が可視化され、ゲーム感覚で制作に取り組める点が好評だという。
クリエイターの登録を促すためにAllied Asia Pacificがキャンペーンで実施した制作プロジェクトでは、2週間で100弱のクリエイティブの応募があった。そのうち採用され、掲載された広告の全体の6割が、目標とするCTRを超えたとのこと。
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