写真SNS「Instagram」が動画アプリを公開--「Vineは意識せず」

井指啓吾 (編集部)2014年08月27日 06時30分
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 Facebook傘下のInstagramは日本時間8月27日、雲の流れる様子や花の咲く様子など、長時間にわたる景色の変化を短時間の映像に凝縮できるiOSアプリ「Hyperlapse(ハイパーラプス)」を公開した。写真共有SNSアプリ「Instagram」の一機能ではなく、独立したアプリとなる。利用は無料で、iOS 7以降に対応。Android版の配信は未定だ。

 特別な機材を使わずに、簡単な操作で「タイムラプス動画」を撮影できることがHyperlapseの特長だ。Instagram コミュニティマネージャーの三島英里氏は、「既存のクリエイティブ層のユーザーに、よりアイデアに富んだ動画作品の制作してもらいたい。普段使いもできるので、これまで動画アプリを使うことがなかった人にも興味を持ってもらえたら」と期待を寄せる。

「タイムラプス動画」を三脚なしで

 Hyperlapseで撮影できるタイムラプス動画とは、通常より低いフレームレート(1秒あたりのコマ数)で景色などを撮影し、それを通常のフレームレートで再生するもの。通常、三脚を使いカメラを固定して撮影する。

 三脚を使わない場合、カメラの揺れ(手ぶれ)が問題になる。これを除去する技術が、今回のアプリ名でもある“Hyperlapse”だ。今回のアプリでは、普段iPhoneのカメラ・ビデオ機能を使うように動画を撮影すると自動でスタビライズ(手ぶれ防止)機能が働き、フレームノートを変更してもなめらかな映像に仕上げられるという。

アプリは一貫して“シンプル”

 Hyperlapseはアカウント作成が不要で、iPhoneやiPadにインストールしてすぐに使用できる。アプリを起動すると撮影画面が表示され、録画ボタンをタップすると撮影ができる。

 撮影後、タイムラプス動画を作るためには再生速度を変更する。1倍(通常速度)、2倍、4倍、6倍、8倍、10倍、12倍の7段階から選択可能で、動画の音声は1倍の場合のみ再生される。なお、動画に音楽を付ける機能などは備えていない。

 撮影・編集した映像は端末のカメラロールに保存され、アプリ内からFacebookやInstagramにシェアできる。動画の撮影時間は最長45分で、カメラロールにはMOV形式で保存される。

  • 撮影画面。一カ所を長押し(ロングタップ)すると、そこにフォーカスする機能も

  • 再生速度を指定すると、動画がカメラロールに保存される。FacebookやInstagramに投稿したい場合はシェアボタンをタップ

  • Instagramのアプリに移り、タイムラプス動画を加工

 完成した動画の編集はInstagramですることを想定。フィルタを使って色合いなどを加工できる。ただしInstagramにシェアする場合には、同サービスの既存の動画サイズ(再生時間は最長15秒、画面比1:1)に切り取る必要がある。

 HyperlapseはInstagramと同様に、シンプルなインターフェースにこだわった。三島氏によると、アプリに必要な機能を厳選し、誰でも簡単に操作できるように仕上げた。Instagramの既存の動画機能と切り分けたのも、アプリが重くなることを考慮したほか「シンプリシティを維持するため」という。

Android版、競合「Vine」、収益化は?

 Android版も開発中としているが、現時点で公開日は未定。Hyperlapseの機能の一部に使っている技術がAndroidでは開発者向けに提供されておらず、現行の仕組みとは親和性がないという。

 Instagramでも動画は撮影できるが、なぜ新たに動画アプリを発表したのか。三島氏によると、Hyperlapseは社内のハッカソンで出たアイデアが基になり、プロダクトとしての発表に至ったという。

 「動画に比べて“(静止画である)写真”に制限があると感じているわけではないし、Vineを意識して動画アプリを開発したわけではない。動画と写真によるビジュアルコミュニケーションをどう追求していくか、そこを考える中で色々な形が出てきている」(三島氏)。

 なお、Instagramは3月にユーザー数が2億人に達したことを発表したが、日本での収益化はまだ先のことになりそうだ。すでに米国では広告代理店と契約し、スポンサー付き写真の配信を開始するなどマネタイズに向けたテストを始めているが、まだ初期段階だ。今後も最適なマネタイズ方法を模索するとしている。

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