日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は8月25日、全機種スマートフォンやタブレットからの印刷に対応した個人向けA4インクジェット複合機4機種を発表した。また、あわせてビジネス向けインクジェットプリンタ2機種を発表した。日本HPのオンラインストアHP Directplusや一部量販店で、9月中旬より順次販売する。
今回から、個人向けブランド名を「ENVY」シリーズに統一。中央にHPのロゴを置き、メタリックとブラックを基調としたツートンボディにするなど、HPのPCとデザインコンセプトを共通にしている。
HPは、インクジェットプリンタおよびレーザープリンタの発売から30周年を迎える。日本HP プリンティング・パーソナルシステムズ事業統括 プリンティング事業統括本部 統括本部長の島田昌彦氏は、「ユーザーのニーズは変化していくもの。ワークスタイルが変わっている中で、どのように対応していくべきか。(1)スマホ・タブレットの印刷をより快適に、(2)仕事でも家庭でも両方使える、(3)プリンタヘッド一体型のインクシステム──の3点にフォーカスした」と語った。
今回、すべての機種でスマホやタブレットからワイヤレス印刷が可能なモバイルプリント機能を搭載。モバイル端末からプリンタにメールを送るだけで印刷できる「HP ePrint」や、ルータやアクセスポイントのない環境でも手軽にプリントができる「ワイヤレスダイレクト」に対応する。
さらに「HP ENVY5640」と「HP Officejet 5740」は、新たにAndroid4.4プリインストールの「HPプリントサービスプラグイン」に対応。Android 4.4を搭載したスマートフォンであれば、専用アプリをインストールすることなく、ウェブ印刷ができる機能を備える。さらに、ファクス機能やADF(オート・ドキュメント・フィーダ)を備えた多機能モデルHP Officejet 5740は、モバイル端末をプリンタに近づけるだけでプリントができる「NFCタッチtoプリント」機能にも対応した。
今回のラインアップは、今後の在宅ワーカーの増加を見込んだものという。2012年から急激に増加し、在宅ワーカー数は930万人。今後も増えていくことが見込まれる。「いままで家庭向けのプリンタは年賀状、写真の印刷、趣味の印刷に限られていたかもしれないが、仕事でのニーズが増える中、家庭の中で仕事をするときにおいても活用できるものを提案したい」(島田氏)とした。
また、HPのインクシステムは、インクタンクとプリントヘッドを一体化したものだ。インク交換のたびに新しいプリントヘッドに交換できる。「通常のプリンタでは、頻繁に使っていないと目詰まりを起こし、場合によっては修理をしなければならないこともある。HPなら一体型のインクで解決できる」とした。また、顔料インク(黒)と染料インク(3色カラー)の2種構成のため、ビジネス文書から写真印刷まで幅広い印刷内容に対応するとしている。
さらに、黒/カラーのどちらかのインクが切れても印刷が継続できる「シングルカートリッジモード」に対応。カラーカートリッジを外して、黒インクのみで印刷が可能なため、ビジネス文書などのモノクロ印刷やファクス機能中心で使用するプリンタとしても使用できる。
なお、これまで発売してきたスタイリッシュな高級モデル「HP ENVY121」の後継モデルにあたるものはない。今後も発売の予定はないという。今回のラインアップは、「値段が上がると速度が上がり、ランニングコストが下がる。価格と見合った速度とランニングコストで幅を提供した」(日本HP プリンティング・パーソナルシステムズ事業統括 プリンティング事業統括本部 プリンティング販促支援部の追越隆則氏)と話す。
製品名 | HP Directplus価格(税抜) | 販売開始日 |
---|---|---|
HP ENVY4504 | 8800円 | 9月中旬 |
HP ENVY5530 | 1万1800円 | 9月中旬 |
HP ENVY5640 | 1万5800円 | 9月中旬 |
HP Officejet 5740 | 1万8800円 | 9月中旬 |
ENVY4504は、黒とシルバーのツートンカラーを採用したスリムな筐体のエントリーモデルだ。エントリーモデルながら多彩なモバイルプリント機能に加え、自動両面印刷やシングルカートリッジモードに対応する。
【HP ENVY5530】ENVY5530は、2.65型カラータッチスクリーンを搭載し、タッチで操作できる。写真印刷をPCなしで手軽に行えるSDメモリカードスロットや、スキャンしたデータを直接メールに送信できる「スキャン to 電子メール」にも対応。
【HP ENVY5640】ENVY5640は、新インクの搭載により低ランニングコストを実現するとともに、Android4.4プリインストールのHPプリントサービスプラグインに対応。また、自動排紙トレイに加え、L判専用フォトトレイを搭載すると、複数の用紙サイズの同時利用が可能。
【HP Officejet 5740】Officejet 5740は、ファクス機能やADFを搭載したハイエンドモデル。HPプリントサービスプラグインやNFCタッチtoプリントなどの最新のモバイルプリント機能や有線LANなどに対応することで、小規模オフィスから家庭用途まで、幅広いプリント環境に対応する。
ビジネス向けプリンタは、4色顔料独立インクや有線/無線LAN機能はそのままに、新たに自動両面印刷機能を追加。A4対応の単機能プリンタ「Officejet Pro 6230」は、電源を本体に内蔵して、省スペース化を実現した。また、「Officejet 7612」は、A3スキャンにも対応する。
製品名 | HP Directplus価格(税抜) | 販売開始日 |
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HP Officejet Pro 6230 | 1万1800円 | 10月中旬 |
HP Officejet 7612 | 2万9800円 | 9月中旬 |
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