Hewlett-Packard(HP)の最高経営責任者(CEO)であるMeg Whitman氏は米国時間6月11日、ラスベガスで開催の同社のDiscover Conferenceで講演を行い、HPがコンピュータについて徹底的に考え直すプロジェクトに着手した理由を冒頭で説明した。
「クラウドコンピューティングやモノのインターネット(Internet of things:IoT)、モバイルネットワーク、マシンツーマシン(M2M)コンピューティング」がもたらすデータ量の増大は、把握や管理が不可能な大量のデータを発生させており、それに対処できる新たなコンピューティングアーキテクチャが必要になっている、とWhitman氏は述べた。
同様に同カンファレンスで講演を行った同社最高技術責任者(CTO)のMartin Fink氏は、「われわれは何十年もの間、同じアーキテクチャを使い続けており、それをずっと同じ方法で行っている」と話した。
OSやプロセッサがしていることの90%は、「異なるストレージ層の間で単にデータをやり取りすることだけだ」と同氏は述べた。例えば、低速なハードドライブから高速なメモリにデータを移動させることもこれに含まれる。
その問題に対するHPの答えが「The Machine」だ。これは一から構築された新しいコンピュータ設計である。特定のタスクや「ワークロード」に特化されたプロセッサが、光ベースの素材に接続して通信を行う。さらに、これらはすべて大規模な単一の「ユニバーサルメモリ」プールと接続される。そのため、別個のメモリおよびストレージ層は不要だ。
言い換えると、HPはDRAMとフラッシュメモリストレージの速度を組み合わせて、「それを1つのもの、つまりメモリスタ」にすることを試みている、とFink氏は述べた。
「これによって、われわれは途方もない規模のデータセットを処理できるようになるだろう」(Fink氏)
データ速度の高速化に対応できる新しいOSも必要になるだろう、とFink氏は述べた。
新しいOSはすべてオープンソースで、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリシステム向けに最適化されたものになるだろう。一般的に、フラッシュメモリは標準的な磁気記憶装置に比べて、データ転送速度が大幅に優れている。
同氏は、「われわれはLinux環境を出発点として、不要なものをすべてそぎ落としていくつもりだ」と述べた。不揮発性メモリシステム向けに最適化された「Android」バージョンも計画されている。
The Machineを駆動する最大のテーマの1つは、エネルギー消費だ。データセンターの規模が大きくなるにつれて、配電網にかかる負担を現行のアーキテクチャで支えるのは困難になる。Fink氏によると、The Machineは「今よりもはるかに少ないエネルギー消費量」で今より多くのことを実行できるようになるという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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