「この試みが一過性の騒ぎで終わらず、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の理解や治療に繋がるように心から願っています」――楽天代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏は8月21日、治療研究を支援するチャリティ「ALS Ice Bucket Challenge」に参加し、バケツに入った氷水を頭からかぶった。金額は明かしていないが寄付もするという。
ALSは、運動をつかさどる神経が侵されることで筋肉が萎縮し、身体が動かなくなったり、声が出なくなったりする難病で、有効な治療法はいまだ見つかっていないという。難病情報センターによれば、1年間で人口10万人当たり約1~2.5人が新たにこの病気にかかっており、日本では約9000人がこの病気を患っているそうだ。
その認知度を高めるために実施されているALS Ice Bucket Challengeのルールは、指名されてから24時間以内に100ドル(1万円)寄付をするか氷水を頭からかぶるかを選び、次の挑戦者を3人指名するという内容。もちろん、その両方を選ぶこともできる。
この日三木谷氏は、同キャンペーンの日本での認知促進イベントに出席。「このような取り組みが今後も継続され、ALSの理解や治療につながってほしい」と自身の体験を交えて訴えた。
こういうチャレンジはふざけていると揶揄されがちですが、その影で病気を発症される方が毎年12万人います。ALSは治療方法も見つかっておらず、看病されているご家族も苦しいかと思います。こういうチャリティが流行ることで寄付に繋がり、一刻もはやく治療方法がみつかることを願います。#ALS
— 三木谷浩史 H. Mikitani (@hmikitani) 2014, 8月 20
僕も父親を難しい病気で亡くしました。治療方法を探したり看病したので、患者さんやご家族の気持ちが少しわかります。なので、これが、一瞬の流行だけで終わらないように、寄り添う気持ちで参加させて頂きたいと思います。#ALS
— 三木谷浩史 H. Mikitani (@hmikitani) 2014, 8月 20
イベントは、クラウドファンディングサイト「JustGiving(ジャストギビング)」を運営する一般財団法人ジャスト・ギビング・ジャパンと、ALSの支援に取り組む一般財団法人END ALSが、同キャンペーンを日本でも広めるために開催した。
三木谷氏のほかにも、ジャスト・ギビング・ジャパン代表理事の佐藤大吾氏、ソニー・デジタルエンタテインメント・サービス代表取締役社長兼CEOの福田淳氏、マッキャン・ワールドグループホールディングス代表取締役社長兼CEOの片木康行氏、モメンタム ジャパン代表取締役会長の並木博氏、作家でタレントの乙武洋匡さん、元プロ野球選手の古田敦也さん、女優の小山内あやさん、空手家・格闘家のNicholas Pettasさんらが氷水をかぶった。
三木谷氏は“次の3人”として、無料通話・メッセージアプリ「Viber」を提供するViber Mediaの共同創業者兼CEOであるTalmon Marco氏、ビデオストリーミングサービス「Viki」を提供するVIKIの共同創業者兼CEOであるRazmig Hovaghimian氏、作家で経営ストラテジストの坂之上洋子氏を指名した。
なお、バトンが回ってこなくても寄付はできる。ジャスト・ギビング・ジャパンが特設サイトで受け付けているほか、一般社団法人日本ALS協会がウェブサイトで振込先を案内している。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」