(編集部注:米CNETによるAmazon「Fire Phone」のレビューを前編と後編の2回に分けて翻訳して公開します。前編は7月31日に公開されています)
Amazonは「Fire Phone」用に独自のインターフェースをデザインしたが、アプリストアやサービスについても独自路線でのコントロールを行っている。米国向けAmazon Primeの年間登録(99ドル、学生は50ドル)があれば、素早い配送、幅広いコンテンツが提供されている「Instant Video」や音楽ダウンロードサービス、1カ月間の「Kindle」用電子書籍レンタルサービスなどを受けられる。またAmazon Prime会員以外でも、あるいはコンテンツがPrime用以外のものであっても、追加料金さえ払えばそのサービスを利用することができる。幸い、このスマートフォンに付いてくる生涯無料写真バックアップサービスは、Prime会員であるかどうかに関わらず利用できる。
ただし、米Amazonの動画および音楽ストアの品ぞろえは充実しているものの、必ずしも競争力のあるサービスだと期待すべきではない。これは、Fire Phoneでは「Google Play」が使えず、Amazon対応アプリしか利用できないためだ。これには(少なくとも発売時点では)Netflix、HBO GO、Showtime Anytime、Pandoraが含まれているが、VUDUやYouTubeは含まれていない。
Amazonは「X-Ray」(右側のメニューで曲の歌詞などの追加情報を提供する)や「Miracast」(Fire Phoneで見られるコンテンツをPlayStationやAmazonの「Fire TV」など互換デバイスで再生することができる)などの独自機能も提供している。
Google Playのサービスが使えないことでFire Phoneへの関心が薄れる人は、このスマートフォンを買うべきではないだろう。これは、Googleのアプリストア(や動画や音楽のダウンロードサービス)も使えなければ、Google Nowも、Wazeによる地図へのリアルタイムフィードバック機能も使えないことを意味する。それに加え、本レビュー執筆時点ではGoogleはFire Phone/Kindle Fire向けのスタンドアロンアプリも提供していないため、YouTubeや「Google Voice」「Hangouts」「Google Drive」なども諦めなくてはならない(ただし、カレンダーや連絡先、電子メールアカウントなどの統合は簡単に行える)。「Endomondo」「RunKeeper」「Clash of Clans」、その他のアプリも同様だ。
その一方で、Amazonのアプリストアには、一般的なユーザーが利用したがるアプリの多くが用意されている。これには、米CNETアプリ(当然だ)、「My Bank」「Skype」「Yelp」「Groupon」「Instagram」「Tumblr」「OpenTable」「Airbnb」「Hotel Tonight」「Evernote」「Vine」「KAYAK」「Flipboard」「TripAdvisor」「TripIt」も含まれる。人気のあるゲームも数多く提供されているが、まだ利用できないゲームが少なくないのも確かだ。上級ユーザーであれば、一部のAndroid用サードパーティーアプリを「サイドロード」することもできるが、Google製アプリはサイドロードしても利用できない。
必要な基本的機能はほとんどそろっている。地図によるナビや、メールボックスの管理、ソーシャルネットワークでのコミュニケーションなども可能だ。とは言え、筆者の個人としての、そしてプロフェッショナルとしての生活はあまりにもGoogleと結びついているため、これらのアプリを失ったことで、自分のタスクを行うためにさまざまな回避策を確立する必要があった。
他にも、ソーシャルメディアのアラートが使えないために会話を継続するのが難しくなったり、優先トレイがないためにメールアプリが不要なメールで一杯になったり、Facebookの「Chat heads」オプションが利用できない不具合があるなど、細々とした厄介ごとが生じた。Amazonは、こういった既存の問題の一部について、サードパーティー開発会社と協力して解決に当たっていると述べている。
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