アマゾン初のスマートフォン「Fire Phone」レビュー(後編)--アプリや機能、性能など - (page 4)

Jessica Dolcourt (CNET News) 翻訳校正: 石橋啓一郎2014年08月07日 07時30分

通話品質

 通話品質は、このデバイスの長所の1つだ。サンフランシスコでテストを行ったときには、中程度のボリュームでは、暖かくて自然な音が聞こえた。ピークレベルでは音が少し突出して聞こえたが、ボリュームを少し下げるだけで解決した。通話中は低いシューシューというノイズが聞こえるが、気が散るほどではなく、特に雑音が多い環境では気にならなかった。

 テスト相手は筆者ほど通話の音を気に入らず、こちらの声はやや不自然で、少しフラットに聞こえたと話した。最高の品質とは言えない。また、相手も低い背景ノイズを聞いていた。良かった点としては、こちらの話し声はクリアに聞こえ、音量も大きかったという。

Fire Phone通話サンプル

 スピーカーフォンの品質もかなりよく、音量も十分だった。テスト相手の声は遠く、安っぽい音に聞こえ、小さなエコーとうなりも聞こえた。これはあまりいい音ではないように思えるかもしれないが、筆者がこれまで試した他のスピーカーフォンよりは優れている。

 相手側では、こちらの声はクリアではっきりと聞こえたという。相手側でもホワイトノイズが聞こえたが、相手はFire Phoneのエコーコントロールを褒め、その品質をA-またはAと評価した。

買うべきか、買わざるべきか

 Amazonがスマートフォンについてかなり研究していることは、正当に評価すべきだ。先駆的なモーション追跡カメラと、驚くべき3Dのロック画面は、Fire Phoneがこの業界で久しく目にすることがなかった意欲的なデバイスであることを示している。AmazonがDynamic Perspectiveの恩恵をスマートフォンのマッピングや操作全体に広げようとしたことは特に評価できる。ただしこれがなくても問題はないし、このビジュアルを利用するとバッテリ持続時間と性能に悪影響を及ぼすことも確かだ。

 このスマートフォンの恩恵を十分に受けるには、Amazonのヘビーユーザーである必要がある。Kindle Fire、Fire TV、Amazon Primeなどをすでに利用しており(しかも気に入っており)、Amazonのエコシステム内に音楽や動画、電子書籍のコレクションを持っていれば、それなりの価値があるだろう。また、第1世代のデバイスにつきものの粗を許容できるだけの心の準備が必要だ。たとえば、バッテリ持続時間、性能、画面解像度などは、とてもクラス最高とは言いがたい。

 アプリに関しては、良い点と悪い点が入り交じっている。このデバイスを使うのであれば、本物のAndroid向けに用意されたGoogle Playストアは諦めることになる。気の利いた「Mayday」の機能を例外とすれば(アイコンをクリックすれば、約15秒でスタッフのサポートを無料で受けられる)、特にキラーアプリも魅力的なDynamic Perspectiveのゲームもないし、AmazonのショッピングアプリであるFireflyでさえ、その機能の一部はすでにAndroidやiOSのアプリで実現されている(そちらでは「Flow」と呼ばれている)。同様に、「Amazon Music」やAmazonでの買い物、Kindleアプリも、AndroidやiOSで利用できる。(ただし、AmazonのInstant VideoはiOSとFire Phoneでは利用できるが、Android版はない)。

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