「骨太」な起業家が集うインドネシア--CAVが明かす投資のリアル - (page 3)

日系大手VCの東南アジア進出が足りない

――他国にある拠点と連携することはあるのでしょうか。

 あります。私を含むゼネラルマネジャーは年に4回の合宿を行い、また各オフィスの代表とは月に1回話す機会を設け、各国における機会や課題について話します。それが契機となってコラボレーションが生まれることも。例えば、ロジスティックに課題を抱えていたPT Bilnaの経営チームがベトナムの出資先企業の倉庫を見学したり、逆にインドネシアへの進出を検討している他国の出資先企業に決済システムや市場調査データを提供したりしています。

――今後の展望や目標を教えて下さい。

  • 「RISING EXPO 2014 in South East Asia」の様子

 中長期的には、東南アジアのベンチャー企業のシードステージ、シリーズA・Bと呼ばれるアーリーステージに資金を提供する大きなエコシステムを作っていきたいです。これについては、6月17日にスタートアップ企業がVCに向けてピッチを行うイベント「RISING EXPO 2014 in South East Asia」をジャカルタで開催し、アジアの企業やVCたちの実現の期待感を与えることができたと考えています。足下では出資先企業の発掘と既存投資先の経営支援をしっかりと行い、年内には5社ほど新規で企業に出資したいです。

――最後に日本のVCに向けてメッセージを。

 インドネシアでは、シリーズB・Cと呼ばれるいわゆるグロースステージにあるベンチャー企業に出資するVCが中国勢、韓国勢を中心に増えています。一方で日系のVCは我々のようなシードステージ、アーリーステージに注力しているところがほとんど。しかし、そうした日系VCにも限界があるため、ステージ間を日系だけでつなげることが難しくなり始めています。中国勢、韓国勢に遅れをとらないためにも、日系の大手VCには東南アジアのスタートアップ市場に対する関心をより高めてもらいたいです。

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