イスラム教女性に特化したインドネシア発のファッションEC「HijUp」

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 この連載では、シンガポール在住のライターが東南アジア域内で注目を集めるスタートアップ企業を現地で取材。企業の姿を通して、東南アジアにおけるIT市場の今を伝える。

 これから数回は、アジアのスタートアップシーンを紹介するウェブメディア「Tech in Asia」が5月に開催したカンファレンス「Startup Asia」で取材したスタートアップ企業を紹介していく。

  • 「HijUp」

 「HijUp」はイスラム教の人向けに特化したファッションEコマースサイト。インドネシアの首都ジャカルタを拠点に2011年にサービスを開始し、120以上のブランドの商品を紹介・販売している。サイトには、イスラム教の女性が頭を覆う「hijab(ヒジャブ)」と呼ばれる布やドレス、バッグやアクセサリなどが並んでいる。一番人気は、「Inner Ninja」というスカーフのようにも見える頭からかぶるタイプのインナーだ。この商品のコンセプトは、HijUpが国内で最初に紹介し、それがきっかけでインドネシアでの人気に火がついたという。

  • HijUpで人気に火がついた「Inner Ninja」

 サービスを立ち上げたきっかけは、創業者であるインドネシア出身の女性起業家Diajeng Lestari氏が、「イスラム教の女性にヒジャブをもっと快適に選んでほしい」と考えたことだった。ヒジャブは女性が肌や髪の露出を抑え、いわば夫や家族以外の男性から自分の身を隠すためのもの。同氏はそのデザインやライフスタイルを演出することで、それをまとう女性に、「ヒジャブを身につけることは、決して世界の終わりや女性は自分では何か大きなことを成し遂げられないことを意味するものではない」と伝えたかったのだという。

写真や動画でクールなコーディネートを紹介

 ビジネスの側面においてもHijUpは成長が見込めると、マネージングダイレクターのAkli Djumadie氏はいう。インドネシアをはじめとするアジアだけでなく、世界中で暮らすイスラム教の女性の間に最新のファッショントレンドを取り入れたいというニーズはあり、インドネシア政府も2020年までに同国を最大の「イスラムファッション」市場にしようと取り組んでいるという。

  • マネージングダイレクターのAkli Djumadie氏

 HijUpでは現在、月に平均3000件の注文・配送が行われており、特にイスラム教徒が断食を行う「ラマダン」の期間が繁忙期にあたる。また、販促キャンペーンをした際には注文数が平常時の2倍になるという。売上を伸ばすための施策としてはウェブの活用に力を入れており、Facebook、Twitter、Instagram、Google+、Pinterest、YouTube、ブログを運用し、商品を使ったコーディネートなどを写真や記事、動画で紹介。また、インドネシアで人気のファッションブロガーやメディアとも連携しているという。

 こうした女性のニーズを取り込もうと、アジアで有数のファッションEコマースサイト「Zalora」もイスラムファッションの商品紹介を開始している。Akli氏いわく、HijUpはこれからもイスラムファッションのみに特化し、革新を続けていく。2014年の目標は、インドネシア国外の海外マーケットを開拓すること。そのために直近では海外の人気ブロガーやメディアとの連携、イベントへの出展に取り組んでいるという。今後は生活雑貨などファッションだけに留まらない新しいカテゴリも新設していく考えだ。

  • HijUpの「Pinterest」アカウント

  • 「YouTube」も活用している

  • Zalora内のイスラムファッションカテゴリ

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