KDDIは、スタートアップを対象としたインキュベーションプログラム「KDDI∞Labo(KDDI無限ラボ)」第6期参加チームによるプレゼンテーションを実施した。あわせて、1号ファンドとあわせて100億円規模となる「KDDI Open Innovation Fund」2号ファンドの設立、KDDIと既存企業連合がパートナーを組み、ベンチャーへのアセット提供を行う「パートナー連合プログラム」を「KDDI∞Labo」第7期から実施することを発表した。
KDDIは2009年にVCファンドを立ち上げ、2011年からはKDDI∞Laboを通じてスタートアップを支援し、これまでに29社をサポートしてきた。さらに2012年には、コーポレートベンチャーファンドとしてKDDI Open Innovation Fundを立ち上げ、O2Oやサービス、教育、ゲーム、メディアなど国内外を含めた24社に投資を行ってきた。
こうした状況の中、「スマートフォンの浸透などによってネットの日常化が進み、ベンチャーの活動がオンラインのみならずリアル領域にも拡大してきている」とKDDI代表取締役執行役員専務 新規事業統括本部長の高橋誠氏は語る。
「O2Oやウェアラブルの広がりなど、ネットとリアルが融合した生活が生まれ始めている。たとえば、auスマートパスは1000万、au WALLETもすでに300万ユーザーを突破し、今後もさまざまな生活シーンでの利用が見込まれる」(高橋氏)。
国内ベンチャー企業の上場や事業会社によるファンド設立など、国内のベンチャーを取り巻く動きは活発化してきたが、依然として米国と比較すると投資額、M&A数ともに大きく下回っているのが現状だ。人材や資金不足といったベンチャーの課題、新事業シーズの発掘やスピード感といった既存の大手企業それぞれが抱える課題解決を通じ、互いの連携を通じてさらなるイノベーションを創出することが求められる。
そこで、KDDIは1号ファンドと合わせて総額100億円規模となるKDDI Open Innovation Fund 2号ファンドの設立、そしてKDDIと既存企業連合がパートナーを組み、ベンチャーへのアセット提供を行うパートナー連合プログラムを、次のKDDI∞Labo第7期から実施することを発表した。これにより、ベンチャー企業の成長支援と既存企業の新規事業創出のきっかけづくりをしていく。ベンチャーの成長を加速化させると同時に、メンタリングや事業支援を通じ、パートナー企業間連携の充実を図ることも狙いの一つだ。
パートナー企業連合には、製造業、小売業、運輸業、不動産業など合計13社の参加が決定しており、今後もパートナー企業数を増やしていくという。さらに、KDDIとともにKDDI∞Laboに参加する企業にアドバイスを行う「メンタリング企業」として、コクヨ、セブン&アイ・ホールディングス、テレビ朝日、プラス、三井物産の5社が参加し、各社が持つ流通や物流販路、メディア運営やコンテンツビジネスの知見の提供、空間づくり、グローバルネットワークや商品開発支援などに取り組み、成長をサポートしていく。
「2020年、そしてその先の未来を見据えた時、Internet of ThingsのみならずInternet of Everything、あらゆるモノがインターネットにつながる世界を見据えている。ネットとリアルに関係なく、さまざまな分野を横断した企業の支援や事業開発を行い、イノベーションを創発していきたい」(高橋氏)。
「KDDI∞Labo」第7期は7月14日に募集を開始。KDDIは同日、教育現場向けのSNSを提供するEdmodo、無料デジタルパブリッシングプラットフォームを提供するIssuu、スポーツ観戦やコンサートイベントの座席アップグレードサービスを提供するPogoseat、米国IT情報メディアのVentureBeatの4社に対して総額8億円を出資することも発表した。
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