NTTぷららが1月に立ち上げた「ひかりTVドリーム」は、クラウドファンディングの仕組みを活用して、世の中のクリエーターを応援する新プロジェクトだ。その第1弾となるゲームコンテンツに対するファンド募集が6月30日から開始され、わずか5日で目標額に達した。
コンテンツ配信事業者として、映像から書籍、音楽、物販までを手がけるNTTぷららがなぜひかりTVドリームをはじめたのか。今までにないコンテンツ制作の仕組みを取り入れた理由とその背景について、サービス本部のビジネス戦略部 ビジネス企画担当の金夛陽彦氏、増島祐介氏に聞いた。
金夛:とにかくホッとしています。そして5日間で一気に集まったことに驚きました。正直もう少し時間がかかると思っていたので、ファンドの販売・運営パートナーであるミュージックセキュリティーズのサイトで、日々資金が集まっていく様子を見て、予想以上の反響に驚いていました。
増島:私たちひかりTVが、まだ商用化されていない優秀なコンテンツや有望クリエーターを探してきて、ミュージックセキュリティーズのサイトでファンド募集をしてもらいます。金融商品なので、NTTぷららでは扱うことができません。ミュージックセキュリティーズが提供している仕組みは、いわゆる「みなし有価証券」に値するため、第二金融商品取引業の免許を持っていないNTTぷららではファンドを扱うことができません。ファンドの販売と運営を ミュージックセキュリティーズでやっていただくことで、このプロジェクトが実現しました。
金夛:私どもが所属するビジネス戦略部は、ひかりTVの新サービスを担当しています。ひかりTVでは映像からはじまって、ショッピング、ブック、ミュージック、ゲームとデジタルコンテンツを中心に広げてきましたが、次のステップをどうするかを継続的に検討しています。
その中で、コンテンツを楽しむ前の段階で、ユーザーの方と新しい接点は持てないかと考えていました。私どもはインターネットを活用したサービスですから対面で接客できるわけではありません。しかし対面サービスくらいの距離感を持ちたいという思いがあり、ならば一緒にコンテンツを作っていくことができないかと考えたのです。
私たちがコンテンツやクリエーターを推薦し、ユーザーの方が興味を持ってくださればクラウドファンディングの仕組みを使って投資をしていただく。そして多くの方にコンテンツを楽しんでいただける。ユーザーの方に新しい体験を提供できるようなサービスを実現したい、という思いから採用しました。
プロジェクト自体は1年半くらい前に検討をはじめたのですが、その頃世の中で、クラウドファンディング自体が盛り上がってきたことも理由の1つですね。
金夛:なぜ、ひかりTVがという話ももちろんありますが、ひかりTVドリームはファンドの販売、運営をすべてミュージックセキュリティーズにお任せしているので、私どもの役割はコンテンツを探して、認知を高めていくことです。通常のクラウドファンディングであれば、目標額に達すればそこで終了になりますが、ひかりTVドリームでは、ひかりTVのプラットフォームを使って商用サービスとして取り扱い、収益化することができます。
コンテンツを探して、資金調達をしていただいて、さらに収益化まで視野に入れられる。ここまでトータルでできるのは非常に面白いと思いました。ここまで見えたときに、コンテツ配信を手がけるひかりTVならではのサービスを提供できると確信しました。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス